お前は骨になっても美しい。純粋か歪みか・・・・色々な愛し方。


いやぁ難しい。一読しただけではなかなか天羽の気持ちがストンと入ってこなくて、何度も何度も読み返してしまいました。純粋なのか何なのか。彼にとってはジョゼは『神』。そんな彼への愛や愛し方が描かれていましたね。

二人にしかわからない空間や世界があって、それでもすれ違って・・・。本当はずっとお互いを好きなのだけれどうまく口にすることも出来ず気持ちを試すような事をしたり。とにかく天羽が純粋なようで歪んでいるのか!?と思えるような作品でした。

コミックス情報&評価


渾名をくれ 新井煮干し子
祥伝社 (onBLUE comics)/2016年8月25日
評価項目評価・★
絵柄★★★☆☆
ストーリー★★★★☆
エロ★★☆☆☆
独自性★★★★★


4 満足度


内容紹介


「ジョゼはおれの神様だった。」
愛されるより愛したい絵描き×対等に愛し合いたいモデル。
超純粋ラブストーリー。

愛で溢れているのに、すれ違うのはなぜだ。
有名イラストレーター・天羽(あもう)と超人気モデルのジョゼは同居中。天羽は美しいジョゼを愛し、ジョゼが他の男と寝ても、帰らない日が続いても、召使いのように従順に受け入れる。「愛されるより愛したい」。それが天羽という男だった。
しかし、ジョゼの恋心が自分に向かっていることを知り、天羽の心中は――。

愛されることを望まない絵描きと、対等な恋人になりたいスーパーモデルの純粋すぎるラブストーリー。
「おまえを独占するなんて、どんなに望んでも叶わないと思ってた――」


渾名をくれ/感想は以下より。ネタバレ含みますのでご注意ください。


渾名をくれ/Contents


  • 渾名をくれ 1話~6話
  • Afterwords

※全192P(Renta!調べ)


はじめに・・・・


感想を書くにあたって、、、、まず絵柄が独特です。これは伝えておこうと思います。
ここは好みで分かれそうですね。

そしてこの作品はストーリー重視という事を伝えておきます。とっても独特なストーリーです。
なかなか心情を読み解くのが難しいなと思う場面もあるのですが、先生もあとがきで書かれていたようにテーマは「信仰」だったかなと思いました。

ジョゼを『神』として絶対的な聖域にいる人物だと思っている天羽。この天羽と気持ちを通わせたいジョゼとのストーリーですね。一読しただけではなかなか難しい作品かな?と思うので二度、三度読み返してほしい。。。

ということで、難しいなと思った事もありワタクシのストーリー評価も★4にしています。『神』のような存在のジョゼのほうがなんだか人間臭くてワタクシは好きですね(n*´ω`*n)

作品のハイライト/感想


作品紹介に『超純粋』と書かれていたのですがこれはちょこっとワタクシ疑問。確かに・・・・確かに純粋に愛するというのも読めばわかるのですが・・・・天羽の歪みにも似た感情も読み取れるんです。

そこがまた面白かったりするのですが、どちらかと言えばジョゼの方が読んでて納得するところが多いですね。
この2人はお互いに好きあっているのになかなかめんどくさい恋愛をしているんですよね。

というのも天羽がジョゼを『神』と思っているから。

天羽の愛は純粋というか何というか・・・・「神愛」に似ているかと。でもその中に歪みが見えるんです・・・・。

見返りなどを求めずただひたすらに自分なりの愛し方で愛する。性格とか、そういう細かい事ではなくってジョゼをつくるすべてのモノが愛おしい。

そして天羽の望みはただひとつ。本物のジョゼの絵が描きたい。

彼の生活すべてほぼジョゼですね。ジョゼと生活をするために絵を描く。これは自分の作品ではないと言っています。自分の『作品』はすべてジョゼなんです。商業で出ているモノは生活をするためだけに描くもので本当に描きたいものではないという。。。(ただしジョゼをイメージして描いています)とにかく何から何までジョゼですね。

中盤・・・・天羽を困らせたいのか、構ってほしいのかジョゼが家に帰らない時がありました。
天羽もめんどくさい男ですが、ジョセも結構めんどくさいですね。でもジョゼの気持ちもわかるんですよね。

天羽は自分には感心薄いと思っているからこそ余計に気を引かせたいのでしょうね。やっと天羽からきた電話を嬉しそうにとるジョゼがすっごく印象的でした。そして「好きだよ」と天羽に対して口にします。

「生まれ変わらせてほしいんだ」

ここは、、、対等に気持をやり取りしたいというジョゼの気持ちが読み取れますよね。でもね、天羽は思うんです。

(太陽が木星に恋しても)
(恒星が惑星のまわりを回ることはない・・・・絶対に)

ジョゼ『太陽』、自分を『木星』に例えているのでしょうね。惑星は恒星のまわりを公転している星。太陽は決して木星の周りと回ったりはしませんよね。このことからも天羽の中でジョゼは絶対的な地位でるというのが分かります。

『神』や『太陽』・・・・すごいですよね。そんな気持ちで見られたら何だか息苦しいかも。
ジョゼは天羽に対して恋心があるのに、そう思われているんだからちょっと気にしてほしい!構ってほしいという気持ちが生まれるのもわかる気がしますね。

この2人がきちんと気持ちを通わせたのは後半。
ジョゼがケガをした時だったのかもしれません。顔にケガをしたジョゼ。

「俺が美しくなくなって誰にも見向きされなくなったら」
「おまえもおれを見なくなるんだ」

そう怒りをぶつけるジョゼ。だけどこの時天羽は「そうなればいい」って言っているんですよね。これはジョゼには聴こえてないかもしれません。いや・・・ビックリした様子のジョゼの顔のカットがあるから聴こえていたのかな。

そして服を脱いでくれとお願いする天羽。
ここからは天羽なりの告白ですね・・・。ここは・・・本当にシンプルな告白。
そして初めて自分からのお願いごとだったのかなと。

「ずっとここにいて欲しい」

自分の願いを口にすれば、この願いはすぐ叶う簡単な事だったはずなのになかなか言えずにいた言葉なんですよね。自分の言葉や行動はジョゼには影響しない、そう思ってた天羽ですから。

天羽はめんどくせーなぁ・・・


気持ちがつながったはずなんですよね。。。そしてジョゼはもう一歩天羽の中へ踏み込みたいと思います。
それは『天羽の部屋に入ること』。

天羽は、ジョゼだけにはこの部屋には入らせたくないんですよね。剣は入っていましたから、ジョゼだけがダメなんです。

これはねぇ・・・・気持ちがつながってもジョゼは『神』なんです。これは揺るがない。対等にいたいとジョゼが願ってもそんなにすぐには変わらないですね。

そんな神聖にいるジョゼに自分の歪んだ目で見た、描いたジョセ達を見せるわけにはいかないんです・・・・。
ここらへんはやっぱり純粋というよりは歪みなのかなぁ?と個人的には思う。

剣に「同じ人間同士」って言われた時に『同じ人間』?と言った時のあの天羽の顔・・・・怖いのですがあれがすべてだなと。本当にめんどくさいんですよ・・・・。でも信仰ってそんなものなのでしょうね。

誰にもそれは変えられないし、どうすることもできない。そういうのもきちんと一貫していたかなと思います。

ジョゼはというと・・・改名をして皆が『ジョゼ』と言わないようにしましたね!彼が『ジョゼ』と呼ばれたいのはただ一人なのでしょうね(o^―^o)やっぱり・・・ここら辺はジョゼの方が気持ちの出し方がストレートで好感が持てます。

感想・まとめ


これはねぇ難しいヨ・・・・。難しいけど妙にハマります。とにかくジョゼは対等に愛し合いたい、自分を気にしてほしいし感心も持ってほしいんですよね。でも天羽はそれをしてくれないんです。

愛しているのに、大好きなのに相手からの愛情を受け取るというアンテナは貼っていなくてただただ自分が彼を「神」として愛しているんですね。だから最後、天羽の守りたいのは「俺」じゃなくて「ジョゼを好きな天羽の気持ち」と言われてしまうんですね。

でもきっとジョゼもそれは理解しているんです。この2人はなんだかんだ言ってうまくお互いを理解して付き合っていくのだろうなぁと思います。

今回のこの作品はライトな感覚では読めないと思います。さらっと読むと???となるし、意味がわかないと思う人もいるかも。天羽が「ジョゼを神」だと思っているのだなと思って読み進めるといいかなと思います。

新井煮干し子さん・・・お初の作家さんでしたがこういうテイストが多いのでしょうか?そしてonBLUE作品だと知って納得しました。BLなんだけれどちょっとBがLするストーリーとは単純に語れないお話だったかな?と思います。ガッツリラブラブしている作品が読みたいなという人にはちょっと不向きかもしれませんね。

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