表紙に惹かれてまた手にした作品です。そしたらまたまた記憶喪失のストーリー。
最近は流行りなのかしら?と思ってみたり。
内容は王道パターンでしたが、BLだからこその葛藤や悩みが描かれててすごく読み応えのある1冊だったように思います。
2人のキャラもすごくよくて、読後感もよし!ロングさんのコミックスははじめてですが、「こわがらないで、そばにいて」というタイトルどおり・・・なんだか優しいストーリーだったなぁと感じました。
『こわがらないで、そばにいて』 作品紹介
コミックス
作品内容
パティシエの閑と小説家の幸彦は、お互いを大切に想い合う恋人同士。 ある日、幸彦から「無かったことにしましょう、最初から」と突然の別れ話が。 動揺する閑はその話の最中、階段から落ちて気を失ってしまう。 意識を取り戻したとき、閑は幸彦のことを忘れていて――!?
【こわがらないで、そばにいて】の評価・満足度
絵柄 ★★★★☆ ストーリー ★★★★☆ エロ ★★☆☆☆ 満足度 ★★★★★
5チケでこの内容なら満足度高いです!
ストーリーとしては王道パターン せつない 読後感良い 2人の絆は強い
【こわがらないで、そばにいて】のあらすじ・感想
ストーリーは記憶がなくなったところからスタート
記憶喪失のストーリーって、記憶がなくなってからと過去のストーリーと同時進行していくので把握するまでちょっと「あれ?」って思うときあるのですがロングさんのストーリーは読みやすく、いい感じに過去と現在がリンクしてて一気にストーリーに引き込まれました。
そして一番ぐっとストーリーを面白くしているのはこの2人のキャラ設定。うまい具合に「陰」と「陽」そんなイメージの2人だなぁと。
記憶喪失で忘れてしまってても、心の奥で気になるし忘れているはずなのに相手の好きなケーキをチョイスするとか、細かいところできゅ~んってなりました。
それにロングさんコマの見せ方がお上手で・・・閑がドキっとする場面では私も一緒にドキっ(笑)
幸彦がどちらかというと表情がさみしい分、閑の表情がコロコロと変わるのもすごく読んでて飽きないし面白いなぁと。
そして読みやすいなぁと思ったのは、2人だけのストーリーに特化してあること。ごちゃごちゃとした回りの登場人物だったり邪魔者だったりがいないので余計に2人に集中して読めたのも感情移入しやすかった一因かも。
2人の思い出のアイテム
2人にとっての重要なアイテムがストーリーにちりばめられてて、それぞれがいいお仕事しています。
まずは指輪。これは閑が幸彦にあげた幸せの象徴。
だけれど幸彦はあることがきっかけでこの指輪を外す決心をします。閑の記憶がなくなってから幸彦がネックレスとしてぶら下げてたのが閑の指輪のほうだと知って私はちょっとじ~んとなりました。
外す決心をしたのは閑のため。幸彦自身はきっと閑への気持ちは捨てきれるわけもなく、指輪と一緒に生きようと思ってたのかなぁなんて思ったり。
そして幸彦が身につけている指輪に嫉妬してしまう閑も・・・なんだか皮肉なものですよね。
そして閑はまた幸彦を好きになり告白をし受け入れてもらった時に初めてそれが自分の指輪だったと知らされます。ここはなんかもうじ~んというか・・・胸痛かった(;´・ω・)
閑が断片断片を思い出し、「全部・・・俺かよ・・・畜生!!!」と大事な幸彦のこといろいろなことを忘れていたという事実に傷ついている描写がね・・・。
幸彦をさみしそうな顔させていたのは自分だったと気が付くわけです。
2つ目のキーアイテムはイチゴのショートケーキ。
これもいいお仕事してましたね。記憶がなくなっているのに、幸彦の好きなものをしっかりチョイスしてたり、最後は大きなホールのデコレーションケーキに変身してたり☆
幸彦にとってはひとかけのショートケーキでも十分幸せなのかもしれないけれどホールのデコレーションケーキはやっぱり幸彦をもっと幸せな気持ちにしてくれたんだろうなぁと。。。
幸彦の葛藤と傷心
なんというか・・・BLに特有のあのお悩みがね…登場しましたね。「子供」「家族」・・・きっかけは閑の妹に赤ちゃんが生まれたこと。
そりゃうれしそうにフォークとか選ばれたらね気になっちゃうのかもしれないなぁ。そしてそれが閑のせいではなく、幸彦自身の気持ちの変化で描かれているので余計に読んでるほうはつらかったです。
閑は相変わらずの明るさだけれど一人幸彦が考えて考えて抱えてしまって・・・。幸彦自身が親と絶縁してしまっているから余計になんだろうなぁ。
愛しているからこそ、一緒にいることではなく離れることを選んだ幸彦のシーンはねぇ・・・頑張れよ!!!!!って言いたくなったけれどそんな簡単なことではないのだろうなぁと。
こわがらないで、そばにいて
このタイトルがすごく素敵だなぁと思うの。優しいでしょ。これはおそらく閑の幸彦に対する気持ちなのなぁって。
怖がることはないよ、2人で乗り越えよう、だからずっと一緒に。
そんな閑の気持ちがストーリーからも読めてすごくいいタイトルではないかなぁと思いました。
さいごのイチゴのデコレーションケーキを食べてうまいか?と聞かれたあとの幸彦の「はい!」の笑顔は本当に素敵!
私としては5チケでこのストーリーは大満足でした。
王道はハズレなし!
ロングさん、表情の描き方もすごくいいし次回作でたらまた読もうと思います!
5チケ、5チケと書いてますが・・・これ5チケ!!?!??ってびっくりしたのは銀座ネオンパラダイスが一番の衝撃。
あれは7チケでも私は読む!200P超えで5チケですよ。。。全部そうなればいいのにね。ただ、紙書籍だと700円はします。電子限定でお安くなっているようです(*^_^*)
最後にもういちど!ロングさんの作品とても良かったです!!!