2015年6月4日に書いた感想ですが、古い作品も再度注目してもらうためにリライトしています♪
絵柄に惹かれて読んだ作品。BLコミックス、湖水きよさんの【出会わなければよかったの】の感想です。こちらは本当に独特な世界観でした。
長馴染みものなので飛びついたけれど、けっこう切なさもある作品。兄が。。。ちょっと最後までよくわからなかったです。
あと、このコミックスにはさらに1作品収録されていました。
出会わなければよかったの 作品紹介&評価
内容紹介
綺麗だけれど、無愛想で友達もいない──。クラスでも浮いた存在の高校生・譲(ゆずる)。実は、病弱で譲に執着する兄のため、毎日早く帰宅しているのだ。そんな譲が再会したのは、子供の頃遊んだ幼なじみの虎太郎(こたろう)。明るくて、いつも譲の手を引いてくれた虎太郎は、譲の迷惑顔も気にせず強引に放課後に誘ってくる。兄の苛立ちが気になるのに、譲はその手を振り払えず……!?
ということで、サンプルを見てなんとなく黒髪の受の絵が好みだったので購入してみました。
注意ポイント
【ネタバレ注意】出会わなければよかったの 感想レビュー
攻の方の顔はあまり好みではないなぁと思っていましたが、読んでいくうちにとても素敵に思えてきました。
話の内容的には兄の存在というのが柱にあるようなんですが・・個人的にははいてもいなくてもよかったかなと。
兄はかなりの重要ポジではあるのですが、兄が何を考えているのかもちょっとわかりにくいですし、弟を大事に想っているのかどうなのかさえあまり伝わってこなくて。
憎んでいるのかどんな感情があるのかな?と思いながら読み進めました。
読みながら思ったことは・・・お兄ちゃんは幼少時代から病弱で護に執着しているのだろうなぁと。
護は兄の介護のようなものをしているんでしょうか・・・?
でもやはり・・・兄は執着しているような描写はあったのですが最後はあっさりしてるし結局のところなんだったのかなぁと。そこがもっと詳しく感情が書かれてたらぐぐっと作品に入り込むことができたかなと思います。
でもストーリー的には設定も面白く、ドキドキハラハラでよかったと思います!
護と虎太郎。クールというか表情のないような護も最後のほうはかわいくなるのでその辺のギャップもよし。
主軸にある護の兄
この作品の主軸ってやはり護の兄ですよね。。。この人物がどうかでストーリーが変わってきそうなくらい。
そして、どちらかというとこのお兄ちゃんが歪んでます。
途中、虎太郎と仲良くなってましたけど・・・どうしたかったのかなぁ。
そしてちくいち護たちの行動をチェックしているお兄ちゃんΣ( ̄□ ̄|||)。
気持ちを動かす虎太郎の言葉
作中でカラオケに行こうと虎太郎が誘った時に、護が黒板当番だから無理だと答える場面があるの。
その時に虎太郎が護がやらなくても誰かがやるよと言うんです。
世の中そういうふうにできてんのってね。
このセリフ、すごく共感してしまいました。
私も仕事しているときは私がしなきゃ回らない!なんて思ってたものです。自分がやらなきゃ、自分がいなきゃって。
でも実際は・・・いなくても仕事は意外にもまわるんですよね。
案外こういう考え方できなくて切羽詰っちゃう人たくさんいると思うのですけど、世の中とはこういうものです(*^_^*)
そして、護は虎太郎と一緒にいることでだんだんと自我のような自分の意思が出てきます。
今まではお兄ちゃんのことで我慢もしてきたんでしょうね。
一旦は虎太郎を突き放したのですが、無視されると涙がでる護・・・。
虎太郎に惹かれてます。
仲直りをした2人は海を見に行くのですが・・・護は兄の面倒は放棄して朝まで虎太郎と一緒にいます。
自宅に帰るとお兄ちゃんは起きてました。
朝帰りした感想は?と護に尋ねます。
護はどうってことないねと答えるの。この言葉がね・・・今までの護とは何かかわったなぁとすごく思いました。
吹っ切れたのかな!?
この一件から護の表情がかわります!!!
すごくイイ!こういった表情の変化を描くのが上手な作家さんだなぁと思いました。
冒頭とラスト
冒頭で「感情はどこからきてどこに流れていくんだろう」というのがあります。
そして最後に護なりのこたえが。
「感情はどこからきてどこに流れていくんだろう いまでもわからないけど きっとそれを追いかけていけばきらきらと輝く海のような場所にたどり着けるのだろうそんな場所に彼と共に」
とあってそこで終ります。
こういうのはうまい締め方ですね。
はじめはそういう感情自体がわからなかった護ですが、彼と一緒なら見つけられると思っているように思えます。
護にとって虎太郎が特別で変化をもたらしてくれるような存在なのだなぁと読みながら伝わってきました。
ちなみに冒頭の意地悪したりする子は虎太郎ですよね(笑)
『隣は何をする人ぞ』
そのあとは『隣は何をする人ぞ』という話が入ってます。
う~ん。。。これは個人的にはあまり揺れませんでした。。。。
番外編
この話の後に番外編が収録されています。
海は意外と遠くないという題です。
始めのほうは護が虎太郎のことを友達と思っている?ような描写から始まります。
護と虎太郎は本編の最後にキスをしているのですが、護は友達でもすると思っているようですね。
当然虎太郎のほうは ・・・わかってねぇの?って感じです。
この微妙な気持ちの違いがすごくおもしろかったです。
虎太郎が護を海に誘うのですが・・・はしゃぐ護がかわいかった。
疲れて宿へ戻り、枕投げ大会。
笑う護をみて「可愛すぎんだろおまえ」と言って虎太郎は護にキスをします。
護をみていて止まらなくなった虎太郎は暴走しようとしますが泣いている護を見てハットしてやめます。
そうすると護が違う!本当はちょっと期待してたんだと。
護は護で虎太郎が優しいから海へ連れ出してくれたり楽しいことをたくさん教えてくれるんだと思ってたようです。
だから勘違いしたら虎太郎の迷惑になると・・・
虎太郎が自分と同じ気持ちでいてくれたら嬉しい、好きだと伝えるんですね。
気持ちが通じ合うエピってすごう面白いですよね!!!
番外編とても良かったです。
お兄ちゃんは本編以降あまり護のことをかまわなくなったようですね。もう少し、兄の心情が描かれてたらよかったかなと思いました。
感想まとめ
絵も色っぽくてストーリーも安っぽいストーリーじゃなくぐっと引き込まれる内容でした。
ストーリーは独特で、シリアスなところに幼なじみを相手にすることによってピュアさプラスしたのがすごくよかったです!
また他の作品も読んでみたいとおもいました。
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