ルチルで連載していたARUKUさんの無恋愛紳士の感想
ARUKUさん好きなのですが、わたくし…一度もきちんと感想を書いていないということに今日気が付きました(;'∀')
そういえば・・・ずっと絵柄が~なんて言って敬遠していた作家さんでもありますが、本当に読み始めるとストーリーの面白さに思わずあれもこれもと読み漁ったのを思い出します。
設定はファンタジーものが多い印象ですが、ちょっと変わったBL読んでみたいなという人にはおススメです!
【無恋愛紳士】作品紹介
コミックス版
作家 | ARUKU |
出版社/レーベル | 幻冬舎/バーズコミックス ルチルコレクション |
発売日 | 2016/5/24 |
満足度・オススメ度 |
内容紹介
内容
蘇芳は他人に対して恋愛感情も性的欲求も抱けない「無性愛者」。特に不自由も感じず仕事一筋で生きてきたが、学生時代に振ったはずの日夏が部下として着任、蘇芳への愛情をストレートにぶつけてくる日々が始まって……? 連日連夜、部下に迫られる上司に恋の目覚めはあるか!?
ストーリー | |
胸キュン | |
切なさ | |
エロ |
注意ポイント
【ネタバレ注意】【無恋愛紳士】感想
ARUKUさんの昔の絵柄が好きなのですが、同じ人っているでしょうか・・・
今はとってもきれいになっているのですが、個人的には昔のちょっと線が太い絵柄がすごく好きなのです。味があるというかなんというか。
と言いながらも以前は「絵柄が好みではないので~」なんて言ってました(笑)すみません(;^_^A
個人的にはARUKUさんの作品は目がすごく好きです。いつも丁寧に描きこまれている目・・・素敵です♡
無性愛者という設定について
設定おしろいですよね。この「無性愛者」というのは、誰にも性的欲求や恋愛感情が持てない人の事だと書いてあります。
なので・・・最後に恋した蘇芳さんは「無性愛者」ではなかったのかもしれない。
ワタクシとしては、「無性愛者」が恋をするならば矛盾が生じるので、「無性愛者」としないで「いまだに誰にも恋をしたことがない」とか「無性愛者」なのだろうか・・・?くらいでスタートしたほうが良かったなぁ~と。
結果として、恋をしてしまったらそうでなくなるわけで。題材にするにはかなり難しいテーマだったのかなと思いました(⌒∇⌒)
ストーリーは、無性愛者の蘇芳に一途に想いを寄せる日夏のお話。「一歩目 二歩目・・・」とある様に、本当に徐々に気持ちが動いていくのがわかってそこはさすがだなぁと思いました。
ストーリーとは関係ないところで気になったところがわりとある
あっ、これは言わずにはいられないです(笑)ストーリーとは全く関係ありませんが、ワタクシ・・・日夏くんの仕草が気に入らないところがちらほら(笑)
たとえば・・・冒頭の日夏くんが出社したときの「チャオ♥」の場面とか!!!そんな仕草する人今時いる!?!?!?!という衝撃(笑)
敬礼のところとか、「ごめんちゃい」とか(;'∀')「ニャハ」とか!ウィンクしたりですね・・・・思わずぎゃ~ってなりそうでした。。。
いや・・・・これは細かいところまで見てしまうからいけないのですよ。
さらっと流せばいいのに、いつもいつもこの日夏くんのちょっとした仕草に「何よもぉ~」ってなりながら読んでしまいまして(-_-;)
ストーリーとは全く関係がございません(笑)
日夏くんの一途さがいい
と行動が気になった日夏ではあるのですが、この作品の良さは日夏くんの一途さにあると思います(⌒∇⌒)
毎日毎日大切な人に「好き」「愛してます」の言葉を言うことって大切なのかもしれない・・・と思わされたりもしました。
「無性愛者」の蘇芳さんがやっぱり日夏くんを気にしたり考えたりしたのは日課である「好き」「愛してる」と言われ続けたからなんだろうなぁと。
言っている日夏くんは反応が返ってこなくても言い続けられるほど蘇芳さんが好きでたまらなくて、そういうのが伝わってきてすごく良かったです。だからこそ蘇芳さんは思うのですよね。
日夏にはずっと一番に好きでいてほしい
日夏にはずっと一番に好きでいてほしい
私は無性愛者というのは説明してあるくらいにしか想像できないのですが、きっと人に興味が持てないのだと思うの。だから人に好意を持ったことがない→人の気持ちを考えたことがない。こんな感じかなぁと。
こうやって俺が好きでなくても好きでいてほしいと相手に思ったり、ちょっとした独占欲を持ったりするのは恋が始まった証拠なのだろうなと感じました。
日夏の離婚歴
作中で日夏がまさかのバツ3だと知り・・・仰天。ですけどこれもちゃんと理由があってそれがわかってほっとしました。私と同じように蘇芳さんもこの日夏の「離婚歴」がすごく引っかかってたようで。。。
自分のことを一途に好きだったわけじゃないのか・・と。
でもそれは「偽装結婚」。お前の戸籍はスタンプラリーの台紙か!!には笑いました。
本当は孤独で寂しい、でも怖がり・・・
蘇芳がなぜ無性愛者になったのか・・・こういうのは気づいたときにはっていうものだともうのですが、蘇芳さんの場合は昔読んだ本だったり、色々なことから「無性愛者」になったのだろうなぁと想像できました。
怖いんだ みんなみんな消えてしまうのが
だから誰にも好意を与えたくない そうすれば寂しい思いをすることもあるまい
それでいいのだ俺は
今まではそれでやってきた蘇芳が、終盤には日夏がいなくなるのは淋しいと思ってたりするのにはきゅんとなりました。
終始ポエムっぽい心情とかが合う人、合わない人いるかなぁと思ったりもするのですが・・・。
寂しさとか人がいなくなることの怖さとかそういう感情って、人とつながりたいから持つ感情だと思うのですよね。
一人で十分とか、一人がいい!という人は果たしてそんな感情をもつのかしら?と。
だからそういう感情を持ったり考えたりした時点でもう日夏くんは蘇芳くんの心に入ってきていたんだなぁと私は思います。
最後の一歩
これ最終回なのですが、すごく良かった。。最後の一歩。
これはどっちの一歩だったのかしら、、、(n*´ω`*n)
最終回では日夏くんのキスも動じなくなってきた蘇芳さんがいましたね。
顔に濡れ雑巾が飛んできたとおもうことにした
この蘇芳さんのセリフ何気に好きです(笑)
その後、日夏くんが出向で蘇芳さんの元を去っていき・・・。この出向が決まった時も日夏くんは蘇芳さんに気持ちを聞くのですよね。
でも蘇芳さんは今まで人を好きになったことがないから、今の感情が何なのかもわからないんです。
「ごめん」と言われた日夏くんは「あなたが想像もできないくらいあなたが大好きでした」と言って沖縄へ行ってしまいます。
俺は一生一人で生きていく
誰の事も傷つけない それならば傷つくこともない
そう思っているのに「日夏がいなくなってから~」「日夏に~」と日夏の事ばかり考える蘇芳さんですがだんだんと腹が立ってくるんですね(笑)
いつもすおーさん、すおーさんって読んでベッタベタだったのにあっさりと沖縄いっちゃったものだから。
(これはかなりの自己チュー的考えですよねぇ)
何なんだあいつ 俺の事好きなら諦めずに会社クビになったって俺のそばにいろっつーの!!しょせんそんなもんか!!
って蘇芳さん考えてるけど・・・いやいや行かせたの君だから!と突っ込まずにはいられませんでした(笑)
こういう気持ちのチグハグさもすごく上手に表現されててやっぱりうまいなぁと思いましたね。
日夏くんから沖縄行きは蘇芳さんの返事次第だと言われたけれど、日夏くんの気持ちにはこたえる事が出来なかったのですよね。
でも何やっても日夏くんの事しか思い浮かばない。 あれだけべったりだったのに!!!と腹が立ってくる・・・なんなんだあいつは!!!となるわけです。
普通に考えたらすんごい自己チューといいますか・・・その考えおかしいよねぇ~ってなるけれど今まで感じた事がない感情に振り回されてて、自分の感情についていけてない蘇芳さん面白いなぁと思いながら読みました。
居なくなったことで心にしっかりといたことを認識してしまうパターンは王道ではあるけれどやっぱり王道はすごくきゅんときます。
そして気が付くのですよね。日夏の悲しさ・日夏のつらさ・・・・そして自分が今、日夏をすごく恋しがってて片思いしているのだと。。。ここの数コマは本当に見せ方がさすがで、ぎゅ~っとなりました。
日夏を思いふと涙するところとか・・・。きれいな場面でした(n*´ω`*n)
ARUKUさんらしい締めくくり
最後の一歩の本当に最後。。。
そして日夏はそれからずっと一緒にいた 本当にずっといた
やがて年月が経って地球が太陽にのみこまれるとも
日夏は約束を果たしたのだった
なんというか急に最後で切なくなりました。(意味もなく)
これは蘇芳が無性愛者になるきっかけになった天体のストーリーと絡めてありますよね。
太陽が地球をのみこむのならば、地球上で営まれるすべてが無意味。そして人は一人で生まれて一人で死んでいくとずっと思ってた蘇芳でしたよね。
消えていくのが怖い、だから誰にも好意を与えたくないそれでいいと思っていたけれど本当はすごく寂しかったというのが想像できた中盤。
そして最後に日夏の気持ちを受けいれ、ずっとそばにいたというこのラスト。。。
太陽にのみこまれようともずっとずっと日夏が自分の隣にいてくれてて幸せだったということが言いたいのかなぁ?と。
人は一人で生まれて一人で死んでいく・・・それでいいと思ってた蘇芳の最後のこの語りがなんだか切なくて。
でも幸せだったのだろうなぁ、これほどまでに愛され一緒にいてくれる人がいたんだと。
無性愛者だった自分をこれほどまで愛してくれた人がいたのだとそんな蘇芳の気持ちが読み取れました。
感想まとめ
前半から中盤はコミカルに進むのかと思ったのですが、終盤はやはりARUKUさんでした。しっかりとしたストーリーの組み立て、見せ方そして読後の余韻・・・。
ちょっと日夏のしぐさには(*`皿´*)ノになりそうでしたが(笑)面白かったです。
ただ、表情がワンパターンなんですよね。きれいすぎて。。。もっと表情豊かな描き方されてたと思うのですが。
あと、今回は蘇芳さんがお初だったのもあり、エロは恥ずかしさがこちらにも伝わってきました(n*´ω`*n)
基本的にARUKUさんのエロはあまりエロくないです。(個人的な感想です)
ということで、すごく余韻が残るストーリーでした。
心情がやや多い気がするので、流れのあるストーリーが好き!という人には少し退屈さを感じるかもしれません。
私は心情がよくわかっていいなとは思うのですが・・・好みですよね。
ですが登場人物が少なく2人にぴしっと焦点が当たっているのですごく読みやすいと思います。
参考になればうれしいです。
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