Cannaで連載していた作品です。高津さんの『おかえりオーレオール』。すごく面白かったです。
幼なじみBLだからこその葛藤や心の動きや読み取れてどちらのキャラに感情移入しても面白く読むことができました。
連載時、最初の1話は18歳から中学生の設定に戻っていたのでさらさらっとしか読んでいなかったのですが、回を重ねるごとに目が離せなくなって楽しみにしていた作品のひとつです。
ほぼプラトニックですので、BL初心者さんでも安心して読めるし、エロがないからこそ引き立つお話だったのではないかなと思います。
おかえりオーレオール/コミックス情報&評価
内容紹介
好きになった瞬間から、幼馴染みじゃいられなくなった――。 明るく社交的なカズと、地味で真面目なモトは、 幼い頃からの幼馴染みで親友同士。 中学にあがり仲良くするグループが自然と分かれても互いが一番の良き理解者だった。 しかし、中学2年になったカズは、モトを友達以上に意識しだしてしまう。この感情はきっと勘違いだと必死にごまかすものの、次第にその気持ちが本物であることに気付いてしまい……。
おかえりオーレオール/Contents
- おかえりオーレオール 1話~5話
- あとがき
※表題作のみ
おかえりオーレオールのみどころ・感想
幼なじみ設定ですので、幼なじみBLが好きな人は好きだと思います。
ただ、エロはないのでBL作品にエロは必要!という人は物足りなさは感じるかも知れません。
一切ありませんので。
作品の中で、カズくんの視点、モトくんの視点と両方あります。
だから2人の気持ちの移り変わりだったり葛藤がすごくよく表現されててどちらにも感情移入できるようになっているのはみどころのひとつだと思います。
キュン度は終盤まで低め。葛藤だったりすれ違いだったりが中盤までメインなんですよね。ちょっと苦しい展開が続きますが、これがあるからこそ、ラストの2人が生きてきます。
先生もあとがきに書かれていますが、ドラマティックな展開ではないです。
ほんとうに幼なじみだからこそ!という感じでゆるくゆるくストーリーが展開していくので、この作品を大事に描かれているなぁというのが伝わってきます。
幼なじみという設定がすごく生かされている作品
幼なじみって近いから・・・・近いからこその葛藤や苦しみがあるんですよね。
カズくんが自分の感情に気づくシーンとか本当に切なくて。
自分でも最初は認めることができなかった気持ちだと思うのですがモトくんに彼女が出来てしまったことで自覚していきます。
気持ちを隠そうとすればするほど、モトくんとのキョリもできてしまう感じがこちらにも伝わってきてほんのささいな描写なのにすごいなぁって思いました。
そしてガマン出来ずに口にしてしまった気持ちですが、「いつか絶対諦めるから」と言ったカズくんが本当に切なくて・・・感情移入してしまいました 終盤に向かって、モトくんの気持ちも徐々にカズくんに向かっていきます。
ここもしっかりと気持ちの揺れだったりの描写があるので読んでてぐいぐい引き込まれます。。。
モトくんの知らないカズくんの顔を見るたびに嫉妬心が生まれてしまう場面とかわかる気がするなぁって思いました。
冒頭は最終話と繋がっている
最初の冒頭は18歳の誕生日なのですが、これは最終話と繋がっています!
連載時にはあれ??これは二輪に乗っけてもらって流星群観に行ったのと違う場面???と混乱しましたが、コミックスで読むとよくわかります。
冒頭の18歳の誕生日から中学にすぐ移ってしまうのでえ??って思う人もいるかもしれませんが、ここは最終話とつなげて読むと良いと思ってていただければいいのかな?と。
切なくてツライ場面はすべてラストのため!
最終話はモトくんからの気持ちが聞けるのでとってもぐっときますヨ。
2人の関係って小さい頃からちょっとずつ積み重なった思い出があって・・・変わりたくないという気持ちと、変わっていって当たり前なのだという気持ちのなかで揺れながら発展していくのがまた良かったです。
モトくんの気持ちを聞いたときのカズくんの気持ちにもぐっときて、幼なじみだからこそ、関係を壊したくなくて色々とガマンしてきたこととかあったのだろうなと色々な感情がこみ上げてきました。
幼なじみというところで、近くにいたからすぐくっつくパターンではなく色々と経験した上で徐々に気持ちが傾いていった展開はすごく素敵。
モトくんが最後、前に進めず止まったままのカズくんの手をひっぱっていっているシーンもすごく好きです。 作品を通して思ったのは、最初に変化したのはカズくんだったと思います。
その後、モトくんが悩み、そしてみんな変わって当たり前なんだと変化を受け入れます。
その後モトくんが次は今のままでいいというカズくんの手を引っ張っていくんですよね。
全体を通してもすごく良く出来たストーリーで個人的には大満足の1冊でした。
幸せそうな2人がもう少し読みたかったな~なんて思ったりもしましたが、ゆる~く幸せに暮らしてそうだなぁっていう場面が読めて嬉しかったです。モトくんもカズくんも幸せそうで最後はほっこり(〃・ω・〃)
おかえりオーレオール 感想まとめ
うん、幼なじみという設定がすごく生かされた1冊だったと思う。
読み応えもあったし中学生から社会人になるまでの2人が読めるのも良かったです。
くっつくまでの過程を大切に描いた作品だったと思います。 高津さん、この作品が初BL作品とあったのですが、他のジャンルで描かれていたのかしら?
ストーリーがすごく秀逸でデビュー作だったらスゴイ!・・・と思ったのですが。
どうなんでしょうか。 最後に・・・「オーレオール」ってなんだろ?って最初思ったんですよね。
調べたら光冠とかコロナとか・・・・とにかく光をイメージするような言葉でした。 最後のモトくんが「おかえり」と言っているのでこれはモトくんにとってのカズくんかしら。
どんなに泣かされてもその何倍も笑わせてくれるカズくんのことだったのかな!?って読み終わったときに思いました。
そして、2人 で手をとって歩くシーンは雲がかった空が晴れたような・・・・とても明るい太陽の描写があります。
これもタイトルにもかかっているのだろうなって。
光と言えば・・・それはカズくんにとってのモトくんでもあるのだろうなと思います。
とてもいい作品だと思うので気になる人は是非!!!最後にもう一回言いますが、エロは全くありません。。。
でも何度もふとしたときに読みたくなる作品だろうなと思います。 また電子で出たらお知らせします(#^.^#) 激しくないけど、じわりじわりと心に残る作品がお好きな方は是非読んでみて欲しいです。