ボクサーとトレーナーの密かに育む愛。!幼少期の酷い過去。
いっさい感情がないサイボーグのようになった男の子が受と出会うことで愛し・愛されるという感情を知っていくおはなし。傑作!
これ・・・本当に面白い!!!一気に引き込まれるストーリー。もう何度も何度も読み返しています。
心の中で攻の感情が闘っている描写がけっこう斬新。ゲームに例えながら幼少期と思われる二人の攻が言い合いをしてたりするのが、いろいろな感情のわからないことを示していて切なくなる。
そんな攻が受と出会うことでこの人と一緒にいたい、そのために勝ちたいと思うようになる微妙が心の変化がうまく描けている作品だと思う。
受も最初は脅されて始まった関係だけれど、自然と攻のことを好きになるのもいい。
感情を知らない攻には伝わらない気持ちだけれど、無償の愛を注ごうとする受にはなんだかこちらまでアツくなってしまいます。
この作品は上中下巻。今回の紹介は上巻の紹介です。
注意ポイント
それと、幼少期の性的虐待のような暗い過去の描写もあるのでこういうのが苦手な人は読まないほうがいいと思う。
子供の頃からタバコを吸っているとかね。。。
ではでは作品紹介です♫
【gift(上) 白い獣の、聞こえぬ声の、見えない温度の、】作品紹介
コミックス版
作家 | 一ノ瀬ゆま |
出版社/レーベル | 幻冬舎/バーズコミックス ルチルコレクション |
発売日 | 2015/6/24 |
満足度・オススメ度 |
内容紹介
内容
ストーリー | |
胸キュン | |
切なさ | |
エロ |
注意ポイント
【ネタバレ注意】【gift (上) 白い獣の、聞こえぬ声の、見えない温度の、】感想
二人の出会い
この物語の主軸になる宥:ゆたか(受)はボクシングジムの会長の息子。
華々しい経歴の持ち主である父親に引け目を感じながら生きている。それは、ボクシングを自分もやっていたけれどボクシングの才能がないのを早々に悟ってトレーナーをしていること、そしてゲイであることが要因のようです。
そんな宥がどこで頸と出会ったかというと・・・最初出会った時は宥には彼がいたの。
その彼とのいざこざの時に頸が登場。ケンカをしているようでした。
銀の髪 青灰の眼 白い肌・・・熱がないような彼に見惚れてしまう宥。そして彼を不良だと思った宥は・・・更生させるつもりのような軽い気持ちでこの子をボクシングジムに誘う。
ボクシングと獣
数日後、ジムに入会してきたのは白石頸。彼のボクシングをみた会長(宥の父)は期待のまなざし。
宥はというと、頸のトレーナーとしてつくことになります。
最初の方は宥と頸の駆け引きがあって、一度は決裂。その後は頸が宥の弱みに付け込んで脅迫に変更。
父親にはゲイだということを知られたくない宥は、頚の要求をのむことに。これが・・・二人の始まりになるのですね。
勁に抱かれていろいろと決心したような宥。とことん勁に付き合うと決心することに。
不思議な描写
ここから色々とあれ?って思う描写が出てくる。
ポイント
設定①御子柴宥はジムトレーナーでホモセクシャル
設定②御子柴宥はホモセクシャルの事実を隠すために俺に口出しできない はず である
ポイント
オプション①宥とのセックスが他と全然違うこと。
オプション②宥は俺がどこかに忘れてきたものを思い出さす。
これ何???って思ってたんだけれどこれは後から謎がとける。
ここでは寮に住む目的を理解し、自由にさせてくれるなら何もしないという勁に抱いてもいいから言うことを聞けという宥との駆け引き。
宥を抱きながら、宥を抱くといつもと違った「何か」が勁を支配する。
それは勁にもまだわからないし、上巻ではこの感情にも気づかない。
頸の中で不思議な感覚が生まれた瞬間であると思われます。こういった不思議な描写は今後ところどころで出てくるので要注目です!
勁の過去
幼少期からすごく美形だった勁。勁には兄がいる。幼き勁はタバコを吸いながらゲーム・・・。けっこう悲惨な幼少期です。
そして彼は・・・自分が売り物になることを知っている。
幼少期~今までのできごとをゲームのように淡々を振り返ってる少年勁。兄とはあまり仲良くなかった感じですね。
兄は勁が中一の時に警察に捕まってしまいます。
勁の中ではゲームのように3択の選択肢が出てくるのは昔から。
勁はゲームのように人生を歩んできた。
宥と出会った時は、得意のウェブ関連でパチンコ屋を脅していて、逆に襲われそうになって喧嘩に発展していたようです。
今まではそんなゲームのようなものに支配されていた頸ではあるのですが、宥との出会いでバグが生じるようになってきます。
宥の存在自体が頸にとってはシナリオになかったもので、どう対応してよいのかわからないものなのかもしれませんね。
目の前で泣いている宥を見て・・・今回はバグが生じてしまいました。
ぎこちないキス
泣いている宥。タバコはやめろ・・・・!と泣きながら訴える宥をみて吸うのを止めた勁。
前ならば構わず吸ってたけど今回はその手をやめた。そして宥に近づき・・・宥の頬をペロっと舐める。
ぎこちなくくっつける唇。。。勁はセックスはするのにキスはしたことがないみたい(笑)
ベロチューのやり方を聞いたりと可愛い一面も。
宥も勁からのキスで違う感情が芽生えたようでした。
それからセックスだけではなくよくキスをするようになった二人。
芽生える新しい感情
勁にもちょっとした変化が。宥がほかのボクサーと楽しそうにしていると気に入らない様子。
でも本人はそれわかってないのよね。こういうのを読んでいると、性に関しては何の感情もなくできる子なのに、何も知らない無垢な感じさえ受け取れて・・・不思議な感覚になります。
ボクシングに関しては、他のジムの人と対戦がありました。(合同スパーリング)
一瞬で相手を倒す勁。沸く周囲。
そんな周囲の嬉しそうにしている顔・宥の嬉しそうに頭を撫でる顔をみて・・・
心の中でいつも一人でゲームをしている子供勁の後ろに・・・もうひとり角を生やしている勁が。そして彼は・・・泣いているの。
あれから、勁と宥の関係は良好な感じ。トレーナーといことでボクサーの体調管理も必要。
ごはんも宥が作っていてすごく近い存在になってます。
そして・・・頸の中で宥とボクシングが大事なものになっていっているのが伝わってきます。
脅迫するためのセックスだったけれど、そんなの抜きで寝たいという頸。
「あんたとはSEXしたいんだけどどうすればいい?」
宥とはしたい と言います。
それを顔を真っ赤にしながら聞く宥。
抱き合う2人。
ここで宥は確実に勁に恋をしていると感じました(⌒∇⌒)。今までの恋の形とは違った感情。宥にとっても初めての形。
宥にとっても頸が特別になってきているのだなぁと感じることができます。
勁の中の二人の子供
だいたい勁を操っているというか、勁動かしているのはスレた子供勁。淡々としていて感情がない。
ゲームしながら話すのが勁①。
いつもはこの子だけなんだけれどちょっと前から現れた角のある勁②。
プロテストは勝たなくてもいいから技術を見るということで対戦していた勁ですが、宥が喜ぶからと対戦相手も倒して勝利するのですよね。
それを見て子供勁①が②に「余計なことしたろ」と言う。
嬉しそうに笑う勁②。
宥に褒められたからって何が変わるわけでもないのにホントゴミだよねって言うの(勁①が勁②に言ってる)
頸の中でも二人の両極にある感情がぶつかってるような気がします。
その後プロテストに合格し、めきめきとボクシングの頭角を現す勁。
デビュー戦もKO!
そしてそれは神からのギフトだと宥は思っています。
宥の心境の変化
頸と出会ったことで宥にも心境の変化が。
プロボクサーになれなかったのでトレーナーに転向した宥だったのですが、頸と出会って本気でトレーナーになりたいと思うように。
トレーナーという仕事が好きだと感じることができたと。
勁を光の当たるところへ連れて行く
その後、頸の引き抜き騒動だったり色々な事が起こるわけですが・・・
ボクシングの才能を考えれば・・・大手に行くのは頸にとっては有益なのでしょうけどね・・自分と一緒にという気持ちもあるから複雑ですよね。
ただ、当の本人は・・・宥と一緒にすることに意味があるので、離れる気はないと伝えて引き抜きの件はなくなります(⌒∇⌒)
感情の合体
やはり勁①は勁②の人間らしい感情を捨て去るためにできた存在。
途中この勁①ができた経緯の話になるけれど、なんか勁の感情が不完全なのが痛々しい。。。
そして一度破壊した勁①だけれど結局は勁①の誘惑に負けて勁②が合体するの。
合体したことで、リアル勁は感情を塞ぎこんだ感じになってしまいます。
でも勁②もいるからどうなるか。
宥は、頸に対しスキだと口にします。だけど何も感じないかの表情の勁。
もっといってとは言うけれど表情は変わらない。
そんな彼を見てこの気持ちは伝わらないと感じてしまいます。
なんだかんだでシーソーゲームのよう。
どうして欲しい?宥はなにが欲しい?と聞く勁に、「おまえだ」と言いたい宥だけれど「勝てよ」と伝えます。
この言葉が結果として・・・後々頸を追い詰めていくのかな・・・と思うと切ないです。
宥 もし負けたら 俺はどうなる?
心配するな おまえは次も勝つよ
勁①勁②
選択は「勝ち」の一択 てことは 「負け」の先はないんだね
じゃぁ勝てなきゃバイバイのデスマッチってことか
感想まとめ
すごく不思議な作品。不思議すぎてすごくハマります。
頸と宥、そして頸と頸の中にいる二人の頸・・・今後どんな感じになるのか全く予想つきません。
捨てられたくないと感じる頸が必死にボクシングで勝とうとする姿が目に浮かんでくるようです。
感情が欠落したような頸・・・そんな彼が宥を特別に感じてしまう気持ちがわかるような気がします。
宥ってあったかいの。
なんていうか・・・おひさまみたい。
どんな頸でも包み込んであげてほしい、そう思った上巻でした。けっこう分厚くて、一読しただけでは難しいかもしれませんが・・・
すごく興味深い設定・内容なので気になった方は是非!!!
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