麻生ミツ晃先生の【世界でいちばん遠い恋1巻】BLコミックスの紹介です。BL雑誌GUSHで読んでいる作品のコミックス版が出ました。
こちらはしっとりとしたテイストで、ストーリーテラーと言われる麻生ミツ晃先生らしいドキドキ・ワクワクする本当にステキな作品。
少しずつお互いを知って惹かれていくのが素敵なのですよね。年の差BLでもあるので年下グイグイ系がお好きな人にも持ってこいの作品です。
【世界でいちばん遠い恋1】作品紹介
コミックス版
作家 | 麻生ミツ晃 |
出版社/レーベル | 海王社/GUSHコミックス |
発売日 | 2021/08/10 |
満足度・オススメ度 |
内容紹介
内容
[五十鈴 歩、29歳、投資家] 重度の感音性難聴だが、それ故に人よりも自立しなければという意識が強く、人に甘えることに不器用。
[壬生十嘉、19歳、バイオリニスト] 才能はあるが、群れない性格と異質な演奏スタイルから大学では孤立し、疎まれている。
音を知らない五十鈴と音を奏でる十嘉、 偶然出会った二人は、互いに“無いもの”を楽しむかのように距離を縮めていく。 五十鈴に惹かれている自分に気づいた十嘉は、 臆することなく真っすぐ感情をぶつけるが、 そんな十嘉に五十鈴は戸惑うばかりで…? 話題作『リバース』の麻生ミツ晃による、心震わす至高のラブストーリー
全体評価
ストーリー | |
胸キュン | |
切なさ | |
エロ |
注意ポイント
【ネタバレ注意】【世界でいちばん遠い恋1】感想
音を知らない者と音を奏でる者の出会い
【世界でいちばん遠い恋】というタイトルで切ない恋なのかな・・・と思っていたのですが、きっと両極にいる二人の恋だからこういうタイトルが付けられたのだろうな~と。
さすが麻生ミツ晃先生。絵柄も素敵で本当に大好き。
先生のコメントにはゆっくり優しく進む柔らかいお話をめざしました、とありました。
読んでみるとじっくりと展開していくので、お互いが惹かれていくのがすごくよくわかるのですよね。だから余計にキュンキュンします。
内容紹介でもあったように、歩は耳が聞えなくて人に甘えるのが苦手な人物。一方、十嘉はバイオリニストですがかなりのクセのある人物です。
耳が聴こえない歩と、音楽を奏でる十嘉では接点ないのでは?と思うのですが、出会う時は出会うのですよね。
たまたま・・・だったのですが、二人が出会った事で運命の歯車がまわりはじめます。
冒頭は歩が恋人と別れたシーンから始まるのですが・・・それもとても印象的。
何かと完璧な歩が人を頼るとしたらどんな人物なのだろうか?そう考えながら十嘉の事を考えながら読むのですが、今の十嘉ではきっと頼るというのにはほど遠い気がします。
でも歩が本当の自分をさらけ出せるような人物に十嘉はなっていくのではないかと思っています。そんな風に想像できる1巻でした。
とにかく表情が良い
読んでてなぜこんなにキュンキュンするのだろうか?と思ったのですよね。
歩は話せないから、十嘉との会話は筆談が多いの。
でも、その分表情で気持ちが伝わるように描かれているような気がします。もうね・・・歩の表情がすごく素敵で見入ってしまう。
二人の会話も好き。
表情・口の動き・筆談・・・色々な事でコミュニケーションってとれるのだなって思ってしまいます。
惹かれたのは十嘉から!?
最初の登場ではなんだか荒い子だなぁと思ってしまったのよね十嘉の事。
でも歩と出会ってからは何かすごく必死さが出てきたりとイイ感じなの。
惹かれたのは十嘉からなのでしょうね。
年下ボーイのグイグイがたまらないので是非読んで欲しいです。孤独な十嘉が歩と出会って、誰にも言ったことがないような事を素直に話すシーンはとても印象的でした。
天才がゆえの孤独というのでしょうか。
大学でも目をかけてもらっているけれど、最初は本当に自分本位なのですよね。人の言ってる事を聞いていないというか、右から左。
アドバイスを取り入れようとしない。
恐らくそれは・・・言っている事が十嘉自身が理解できていないから。
これが歩と関わっていくことで音楽に対する姿勢が変わっていくのですよね。音楽にしてもこれからどんな感じでバケるのか楽しみで仕方ないです。
お互い一番の理解者になっていく!?
【世界でいちばん遠い恋】というタイトルで、設定的にも反対の二人でしたよね。
ただ・・・冒頭に【ありがとう】と【ごめんなさい】という反対の言葉の手話は似ている、というのが出てきます。
これは十嘉も言っていて、たぶん二人にも当てはまる事なのではないか、と思うのですよね。
音が聞えない人と音を奏でる人・・・反対の場所にいる二人ですが根っこの部分で似ているところがあるのでは????と。
そして一緒にいる時間が増えていくことで理解者になっていくのだろうなという印象を持ちました。
十嘉に関しては、周りの皆は才能がある十嘉に嫉妬しています。でも十嘉自身はそれなりの努力をしているし悩みもあります。
歩はそういう十嘉の事を理解しようとしてくれてる。
一生懸命バイオリンを弾いているというもわかっている。多分・・・それだけで十嘉は救われたりするのかもしれません。
歩に関しては・・・友人である哲くんがいるのですが、彼の新会社設立パーティーの時のエピが印象に残りました。
歩はパーティーは苦手。でも哲君は友人として歩に来て祝って欲しいのですよね。
お祝いを買った後に雨にふられ、体調を崩していた歩でしたがパーティーには行きます。ただ、病院でもらった薬を服用してお酒を飲んでしまったので一気に具合が悪くなってしまいます。
倒れそうな時に支えてくれたのは・・・十嘉でした。歩がパーティー苦手なのを気にして来てくれたようです。
お互いなんとなく支え合ってこれから生きていくような暗示のようにも思えて、この先が楽しみになりました。
意識するシーンが魅力的
個人的にイチオシなのが・・・歩が十嘉を意識したシーン。
これは後半部分になるのですが、パーティーから帰ってから随分と十嘉を意識している歩の表情にキュンキュンします。
歩が十嘉の広い背中やのどぼとけに【男】を感じているシーンが私は好き。
最初は好意を向けられているのが【男性】という事に戸惑いもあった様子の歩ですが、一緒に居る時間が長くなるに従って惹かれていってるのですよね。
そして【男】を意識する。。。このラストは本当に素敵だし、2巻を読むのがすごく楽しみになります。
やっぱり先生の作品は素敵ですよね。ちょっと切ない系かと思ったら・・・じわじわとあたたかい気持ちになる。
段階がしっかりしているし、惹かれていくのも理解できるから作品に入り込んでしまいます。さすがはストーリーテラーと言われるだけあると改めて。
気になる人は読んでみて。きっとこの作品の世界感に入り込んでしまうと思います。
感想まとめ
この作品はまだ続いているのですが、イチオシ作品です。1巻部分だけでも十分に楽しめるし、この先が楽しみになると思います。
GUSHで連載しているので、雑誌でも追いかけています。
続きが気になる人はBL雑誌のすすめ。もどうぞ~。(こちらはコミックスになる前にネタバレあり感想になっているのでそういうのがオッケーな人のみお願いします)
二人がこの先、どんな恋愛をしていくのか楽しみですね(≧∇≦*)