エロなしBLコミック。それでも惹きつけるストーリーで満足度高かった作品
BL初心者さんもこれ読んでみてください~。ちょっと最後の「戦後」のストーリーは重いくて切ないのですが、八月の杜は純粋に面白いです。
最後ちょこっと記憶喪失とかあるのだけれど、ハピエンで良かった(*´∀`*)ではでは作品紹介です。
今回は電子書籍で読みました。2010年の作品のようです。今2冊出ているのですが(2冊目がこの八月の杜)それ以降は作品あるのでしょうか?
あったら読みたいのに電子では出ていないようで・・・
※探したら・・・Blogの方でもうBLは描かないとおっしゃってました・・・。(T T)なにかトラブルあったのかなぁ・・・。
同人活動はされているようです。でも多分BLじゃない。商業では描かないとかじゃなくてBLはもう描かないとあったので。残念だぁ~。でもこれも作家さんの自由だし仕方ないですよね。
【八月の杜】作品紹介
コミックス版
作家 | TATSUKI |
出版社/レーベル | 東京漫画社/マーブルコミックス |
発売日 | 2010/5/20 |
満足度・オススメ度 |
内容紹介
内容
忘れられない夏が今、始まる―。無口でスカした東京からの転校生・乃亜が何故か気になる蒼太。上級生に絡まれていたのを助けた事がきっかけで仲良くなるが、知り合う内に乃亜への感情は恋へと変わっていく。ある日、乃亜の転校理由が付き合っていた男と揉め事を起こした為と聞かされた蒼太は、勢いで告白をしてしまうのだが……。
全体評価
ストーリー | |
胸キュン | |
切なさ | |
エロ |
注意ポイント
【ネタバレ注意】【八月の杜】感想
とにかく純な蒼太!
舞台は田舎です。都会から転校してきたノアと少しずつ仲良くなっていく蒼太。そして少しづつ惹かれていきます。
作中では女の子とも付き合ったことないし、DT設定だったのですが中盤の方で実は蒼太は女の子は好きにはなれない(男の子のほうが好き)ということがわかります。
なのでノアが前の高校で男性と~なんて聞いてもすんなり受け入れられるんですよね。だからこそ
お前の過去がどうであれ 俺はお前が好きだし
って言えるの。
蒼太は好きっていっちゃったら一直線。ノアが受け入れらないって言ってもすきすき攻撃です。
トラウマで落ち込むノアに対しても
俺は今のお前を見てる
そんな小っ恥ずかしいセリフもバンバン言えちゃうんですよね。
最後はちょっとしたアクシデントで頭を打った蒼太が一部の記憶喪失に。これはちょっとベタな展開かなぁ~と思ったのですが、よかったのは安易に記憶を取り戻さない展開だったこと。
記憶が戻らなくてもまたお前のこと好きになってる。そういう蒼太の一途さにホッとしました。何度となくノアには振られちゃう蒼太なんだけれどやっぱり諦めきれないのですよね。
ノアにまっすぐぶつかっていく蒼太に本当に読んでいて頑張れ!!!って言いたくなります。
過去の傷を引きずるノア
都会から田舎の高校へ転校してきたノア。以前いた高校で何か問題を起こしてしまい、一からやり直すために蒼太の高校へやってきたようです。
最初は一匹狼だったノアですが、蒼太やその友達と次第に打ち解けていきます。
なぜ転校することになったのか。
それは以前いた高校では水泳部に所属していたのだけれど警察沙汰のトラブルを起こしたからだそう。
その警察沙汰のトラブルというのが読み進めていくと出てくるのだけれど、付き合ってたのが水泳部のコーチ。遊び半分で付き合ってたようですが、そのコーチがノアに本気になってしまって・・・・結局最後はノアが耐え切れずにコーチをボコったようです(╬゚◥益◤゚)
ノアは一からやり直したいと思ってこちらに来たので、蒼太の告白を受け入れることができませんでした。
ずっと友達でいたいから恋愛は無理だと。
もともと付き合ってたといってもノアは人を好きになるっていうことがどんな感じなのか知らなかったようです←後半の方でノアが自分で言ってる。
それでも次第に蒼太のまっすぐな想いに傾いていくノア。だけど真剣に人を好きになったことがないから蒼太の気持ちにきちんと応えることができるのか不安になってくるんですね。
何度となく蒼太を受け入れそうになってはブレーキかけてちょっと焦らしすぎ!!!って思ったけれど、最後蒼太を受け入れるきっかけはわかる気がしました。
蒼太の記憶喪失は自分のことを好きだったという記憶を忘れてたんですね。
蒼太が記憶喪失になって自分への気持ちを忘れてたということも最初は「よかった」と思ってたのに次第にイライラ。
最初は蒼太の気持ちに応えられないと突き放したノアなのに、そんな時にも蒼太に対しては少なからず好意はあったのだと思います(*^_^*)
お前の中から俺への気持ちがなくなってる事が
苦しくて腹立つ
お前のこと好きなのに
離れてしまうかもと思った時に受け入れちゃうところがちょっと天邪鬼的な感じだな~と思うのですが、ノアも蒼太と出会って心の傷も癒え、前に進むことができたんですよね。
味が出過ぎてるおじいちゃん
もうね~この作品はおじいちゃんいないと!!!!!
おじいちゃんはほんと影でノア&蒼太応援してたのね!って思っちゃう。
最後のあたりで蒼太が、ノアと付き合っていることを告白しようとしたら・・・「知っとったよ?」ってお茶飲みながらフツ~に言っちゃって受け入れてるのがイイ。
いつでもあったかく蒼太の背中を押すおじいちゃん。あ~だから蒼太がこんなにまっすぐに成長したのかぁって思います。
そうそう、実はこの本には短編が入っているのですが、おじいちゃんの話です。
でもあとがき読んでたら、おじいちゃんの話の方が先で、連載を描くにあたってその家族に焦点があたったようです。(蒼太)
都会と田舎で離れ離れになった2人
付き合ったはいいけど、やはりノアは東京へ。蒼太はおじいちゃんの近くにいたいって言ってたから田舎の地元で就職している感じです。
2人のその後ですが、どうも社会人になった感じのノアが出てきているし、「近所の子たち」も大きくなっているので4年以上はたっているんでしょうか。(ノアは東京の大学にって言ってたので大学は行ってるはず)
蒼太も坊主頭からちょこっと髪の毛伸びてるし(^^)
久々に会う2人ですが、改札でいきなりキスしちゃうノア!!!(*≧∀≦*)近所の子たちもこの2人を受け入れているんですよねぇ~。←蒼太についてきたらしい。
そ~いうのは後でやってくんない?って。もうねこの「近所の子たち」がむちゃくちゃかわいい。
ノアにバラって漢字で書けるかって最初の方でいてった子達ですよね~。すっごく成長してる!
ノアは蒼太と2人きりになりたいからって
「オイ なんだこの金魚のフンは」
って言って、一緒についてきたっていうとお金を渡してどっかいけって言ったりね。それみてこの子達が
「金で解決しようとする汚ねー大人に成り下がったか」
って( ´艸`)。なんだかんだでもうみんな家族みたいに仲良し。クスッとわらってほんわかするような大人の2人のストーリー。
そして蒼太も来年は横浜支社に来るかもっていう話。その後の2人の話も読みたいな・・・。
最後のノアの言葉
また 夏にでも帰るよ
夏に行くよじゃなくて帰るよなんです。すごくじ~んってきました。もうノアにとっても故郷のようなものになっているのですよね。素敵な言葉だなって思いました。
蒼太の田舎はもう2人を家族のように迎えているんでしょうね。ほんとほんわかしちゃいました。
2人のエロをちょっと・・・いやかなり見たい気がするけど・・・
蒼太はドーテー捨ててるよね????そうだよね???
やっぱり攻・蒼太で受・ノアでしょ?でもなんとなくリードされてる蒼太が脳内変換できる不思議(笑)でもでも仲良くやっているようですごくよかった!
ホリゾン・ブルー
おじいちゃんと、おじいちゃんのお嫁さんの兄の話。目線は兄の方です。
もうねとにかく切ない。戦争から帰ってきたお兄さん。
戦後だというのに戦争から逃れられないんですね。好きだった人が隣で死に(男性)目が見えなくなっているので家族の負担にもなっている自分を責め・・・
せかっく生きて帰って来れたのに、いつもいつも「死」を意識しているお兄さんが本当に不憫というかぎゅ~って胸が痛くなりました。
「戦争」で帰ってきた人の自殺率って高いと聞いたことがあるんですよね。「戦争中」はもう自分が生きるか死ぬかで必死なのでそういった感覚がマヒしているのですが、いざ生き延びて帰ってくると・・・呪縛のように襲いかかってくる戦争の光景。
こういったことがすごく描かれていた物語であったと思います。そしてその傍らで必死に「生きなければダメだ」と手ととってくれる家族。(おじいちゃん)
あんたはここで生きてるんだよ!
この世界で生きることが
俺たち生き残った者の責任なんだよ
生きることのほうがはるかに難しい、だけれどそれは生き残った者の責任だと。本当にぐっとくるセリフでした。
お兄さんもその後は闇にのみこまれることなく生活できたのかなぁ・・・
おじいちゃんに「男を愛する事は 罪だろうか・・・」と言ったお兄さん。そんなお兄さんにおじいちゃんはキスするんです。
おじいちゃんは少なからずおにいさんに好意を持ってたのかなぁ?
それとも男を愛するのは罪ではないよって教えるために「同罪」と言ってキスしたのかな?おじいちゃんの優しさだったのかなとかいろいろ読みながら考えました。
しかし・・・あのおじいちゃんが・・・あんな感じになるとは~。
そりゃ蒼太も未来の俺・・・ってなるよね(笑)
とにかく、エロなしですが本当に引き込まれるストーリーでした。
正直戦争ものは好きではないわたしですが、「戦後」の苦しさが本当にでてて、抜け出せた時にはホットしました。いつもぎゅって苦しくなるのです・・・このホリゾン・ブルーは。
そうそう、蒼太の蒼ってホリゾン・ブルーのブルーから付けた名前なんですって~。前記したけど、ホリゾンブルーの方が先にでた作品で、その作品につながった人物を描こうとできたのが八月の杜です。
2010年作品でちょっと前のものですが、気になる方は是非読んでみてください~。
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