遠火でもしっかりと百目鬼の心に焼き付く彼は・・・・。
囀る鳥ははばたかない4巻の感想を一緒にかいてもよかったのですが、とてもこの遠火が心に残りまして・・・。遠火だけでも書きたいなと思いました。小冊子自体は過去のものを混ぜ合わせながら展開していきます。
囀る鳥は羽ばたかない4巻のコミックス情報
注意ポイント
『遠火』の感想は以下より。ネタバレ含みますのでご注意ください。
遠火というタイトルについて
なんで遠火なのか・・・。普通に遠い火なのですけどね・・・・遠火で検索かけてみたらおさかなの焼き方が出てきました(;´・ω・)
遠火でもしっかりとお魚って焼けるんですね。
『遠火の強火』って言っておさかなを均一においしく焼くためのコツなのだそうですが、これは近すぎたら逆に焼きむらができちゃうんだそうです。
タイトルを見たときに、「遠火」はそのままの意味で遠い火・・・矢代のことなのかな?と思いました。
中身を読んでみると、もしかしたら最後の矢代の吸っているタバコの火にもかけてあるのかも?とも。
そして・・・・なんといっても百目鬼と矢代の出会いから今までの流れがまさに「遠火」の強火なのではないかと。じわじわと・・・・遠くいても恋い焦がれ焼かれていく百目鬼の心、そんな感じにも読み取れました。
さらには遠火の火と日をかけてあるのかも?と思ったりも。
そして表紙。とっても素敵ですね。最初に表紙が決まりました!とツイッターでこの絵が出てきたとき・・・・裏表を見て不思議な感覚に。
素敵だけどどこか寂しい。ただ、百目鬼はまっすぐこちらを向いているということは、百目鬼に何らかの決意というか・・・そういった変化が読み取れるような巻になっているのかも!?しれませんね!
では早速感想を。
本当は過去に出会っていた
さて中身です。冒頭は
初めて見たとき、綺麗な男だと思ったー
から始まります。これはまだ百目鬼が矢代の元に来る前で、百目鬼が間違えて就職した会社に矢代が来た時に見た場面ですね!
百目鬼もこの会社が「ヤクザ関連」だと知り、(やめなければ)と思っていたようです。
この心情は初めて出てきましたね。。。このやめなければという気持ちが矢代を見て変わったというのがなんともキュンときてしまいます。
矢代・・・いつみてもタバコ吸ってますよね(笑)やはりこの「遠火」はタバコの火にもかけてあるのだろうなぁと思うのですよね。
「次いつ来ますか?あの・・・ヤクザの人です」
ここも「人たち」ではなくって「人」って言っているのにひそかに萌え。七原たんかわいそうだが君は眼中にないようだ・・・・。
場面はかわり、あの警官コスプレの時のストーリーになっています。
警官の格好をさせられ、戻りたくなったか?と聞かれる百目鬼は「なってません」と答えていますよね。
(やめなければ)がもうやめたくないに変わっています。
そして矢代は百目鬼にAV演出てのもいいなぁと話し始めます。
冗談ぽく勃たなかったら別撮りで誰かの・・・・とあれこれ言う矢代。最後にはたたないならネコで・・・・みたいなことも。
頭がやれというならなんでもやります
このセリフって、百目鬼のすっごく深い気持ちをストレートに表現しただけなのですが・・・・矢代にとってはひっかかるセリフでもあるんですよねぇ。いつまでも心からなくならないセリフでもあったりします。
いつもなら楽しんでやれやれ!って言いそうですが、矢代は「もーいいわ」ってなっちゃうんですよね。
自分から話をふっといて、あなたがやれというならやりますと言われたら引っ込んじゃう・・・。
百目鬼がじぶんの言うことは聞いてしまいそう、だからやらせたくないという気持ちも少しはあるのかな?この場面あたりから2人の関係は明らかに変わってきていますよね(n*´ω`*n)
簡単には無くせない 戻れない 戻らない
この小冊子では最後は百目鬼の警官時代の過去へ戻っていきます。(百目鬼の夢と重なっているのでしょうか)。
チンピラを取り押さえる百目鬼。
そんな百目鬼に先輩警官はお前は落ち着いているなぁといいます。
百目鬼の体格や態度からSPにも向いているのではないかと言われるくらい買われているようです。
「おまえはそれだけの恵まれたものもってるんだから活かしたほうがいいぞ」
そんな時、ヤクザのいざこざ現場。
七原・矢代登場ですね!いざこざは警官を見た瞬間に終わります。
先輩警官は「この変じゃ真誠会か」と言っていったん署へもどるぞといい車に乗り込みます。
その時、「かーわいー」という声が。その声に気が付く百目鬼。
その声のほうへ目をやると、矢代が手を振っていました。
帽子を深めにかぶり直し、少し頬を染め照れている様子の百目鬼の姿で終わっています。
なんともあっさりとした流れの中に。。。実はけっこうな萌えポイントが散らばっていました!
- この2人は知らず知らずの間に会っていたということ。
- 矢代も百目鬼のことをいち早く「かわいい」と言っているし、百目鬼も反応している
個人的にはこの百目鬼の照れが萌えます。
だって、仕事のことなどを褒められても、チンピラがいたとしても何一つ顔色を変えない百目鬼がたった一言・・・・矢代の「かーわいー」にテレるんです。
矢代のこの照れを引き出させるのは後にも先にも矢代だけだろうし、百目鬼が心動かされるのも彼だけなのだなぁと・・・・ほんの些細な描写なのにそういうとらえ方もできてこの小冊子はすごいなと思ってしまいます。
まさに距離がありながらじわじわと焼かれていく感じですね。。。
そして百目鬼のモノローグ。
最初に戻りますが、(やめなければ)と思ってた百目鬼が矢代のもとへ行き変化していきます。
自分には何もなくて「捨てたい過去」「捨てたい感情」ならあると。でもその過去の気持ちや出来事は簡単には無くせない・・・過去にも戻れない。そして
戻らないー
この戻らないというモノローグってかなり重要だと思ったんですよね。
この戻らないはいろいろなとらえ方があって、百目鬼自身の「意思」にもとらえる事もできるし、感情すら捨てたいと思ったのにそう思ってしまった過去にはもう戻れないし過去は戻らないという受動的な感じにもとらえることができると思います。
そして矢代の事と重ねているのもあると思うんです。
矢代のことを好きになってしまったこの感情はもうどうすることもできない、という百目鬼の気持ちも表現しているのかなと。
「俺には何もない」という百目鬼が何か大切なものをみつけた感情にもなるのではないかと思いながらここは読みました。
もう出会って知らない間に百目鬼が反応してしまっていたのだからこの2人は出会うべくして出会ったし、惹かれあうべくして惹かれあっているのだと思う最後の2人でした。
そして冒頭の「はじめて見たときー」心動かされた百目鬼。
これは意識して彼をみたときですね。
重要なのは、二人は二度はじめまして。の状態があった、ということ。
そして百目鬼はそのどちらにも矢代に対して反応しているという点が大きいのではないかと思いました。
「遠火」・・・百目鬼矢代にそんなエピがあったとは!!!なんだか奥深い。。。
ヨネダコウさんの描き方ってストレートではなくってオブラートに包みながらぶち込んでくるので本当に考えさせられますよね。でも中身は実は至ってシンプル。
この「遠火」は遠いあの日にともった火という解釈もできるのかなあ?と(o^―^o)ますます百目鬼・矢代が好きになってしまいました。
百目鬼にぽっとついた火が消えることなく灯ったままでありますように。
遠火の感想・まとめ
小冊子は表紙も合わせて20P。過去のストーリーは読んだことがあったりもしますが、やはりヒントなるものは散らばっている小冊子でした。
百目鬼のこともですが、2人とも結局は反応しあっているのよね。
こういう意識しないところで反応している2人を読めたことはすっごくよかったなぁと思いました。
4巻表紙・小冊子表紙でそれぞれの顔が見れるというのもなんだか素敵ですね。この小冊子を読んで帯のあおり
あのひとを、自分のものにしたいー
はやっぱり必然的なのね・・・と思ってしまいました。
ということで・・・20Pだというのにダラダラといつものごとく綴ってしまいました・・・・。
4巻の感想もまた書きたいと思います(⌒∇⌒)
→4巻その後のイァハーツ連載分の感想(ネタバレ注意)はこちらです。
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