2017年3月17日に更新した記事をリライトして再更新しています。
大島かもめさんの作品の感想です♪大好きなんですよね~独特な作風がどれも好きで今回もアタリ。面白かったです。
コメディタッチな作品から今回のようなシリアスな作品まで幅広いなぁとますますファンになってしまいました。
トラウマと性癖というか、人を試したくなるとう課長の気持ちもすごくわかるんですよね。
コミックス情報&評価
コミックス版
作家 | 大島かもめ |
出版社/レーベル | 海王社/GUSH Comics |
発売日 | 2017/3/10 |
満足度・オススメ度 |
内容紹介
内容
ゲイであることを必死に抑え込んで生きてきた新人サラリーマンの柴村。憧れているのは会社の出世頭である上司の丸山課長だ。スマートで仕事ができて格好いい大人の男。そんな完璧な丸山が夜の公園で行きずりの男とセックスしている場面を目撃してしまう。お互いゲイであることがわかり付き合うことになるが、逢瀬を重ねるごとに会社での丸山と違う顔を見せるようになる。人前でいたずらされ、冷たい言葉に辱められ、乱暴なセックスを要求され……。柴村の歪んだ顔を望む丸山に、心は乱されてしまい――。
全体評価
ストーリー | |
胸キュン | |
切なさ | |
エロ |
注意ポイント
収録内容
- 陰と日向のボーダーライン
- 待ち角のプロローグ
- 描き下ろし
※176ページ
【ネタバレ注意】陰と日向のボーダーライン /作品のみどころ
今回のコミックスには2作品が収録されてます。みどころというか、この2作品がどちらも面白い!!!
ガラリと雰囲気が変わっているのにどちらも個々の作品としてのしっかりとした存在感があるのはさすがです。大島かもめさん・・・大好きでしたがますます好きになりました。
1作品目の「陰と日向のボーダーライン」はややダーク。
トラウマを抱えた課長と課長に想いを寄せていく部下。この部下くんがとっても純粋なの。
課長がトラウマを抱えている分ちょっとコワイ感じはするものの、それをカバーするほどの純粋さ。
そして、課長のトラウマを取り除けるのはこの部下くんしかいなかったのだろうと思える展開でした。
誰よりも愛に飢えてて、試して相手の気持ちを確かめていないと不安な気持ちはなんとなく理解できる。
そしてそんな彼に愛を与えてあげられるのは、愛されて育った人でなければ出来なかったことなのかもしれないと思いました。
とてもメリハリがあって面白かったです。
そして、2作品目。こちらは留学生としてイタリアに来た日本人とイタリア人とのルームシェア生活。この生活を通してお互いを知っていく過程が・・・モノローグがわりと多かった分、ショートムービーを観ているかのようでした。
すごく引き込まれて面白かったです。
最後の笑顔がなんとも言えない余韻を残していくので、これは是非皆さんに読んで欲しいです。
どちらも好きですが・・・2作品目の日本人とイタリア人のやっとスタートラインに立てたような終わり方も好きなので2作品目の方がさわやかなドキドキ感が味わえたかな・・・。
1作品目はエロあり。2作品目はナシというのも2つの作品被らず、しっかりと存在感を残している要因かもしれませんね。
陰と日向のボーダーライン 感想
キャラがすごく光っている作品だと思いました。表向きはとても完璧で誰もがあこがれるような課長・・・そんな課長はけっこう闇を抱えてたりします。
そして彼の相手になる部下くんが・・・これまら純粋(〃・ω・〃)ワタクシ好みでした。
課長のエロ場面をたまたま目撃してしまった部下くん。(公園でしてたので・・・ね・・・)彼は自分の性癖もそうなのではないかと課長にはなします。
ずっとずっと部下くんも抱えてきた「ゲイかもしれない」という悩みがあったんですよね。でも認めるのが怖かった。
課長は、部下くんがこのことを話したのは初めてだと知り、自分だけに・・・自分が特別なのだと少し優越感を覚えます。
そして優しく部下くんをなだめながら2人は身体を重ねます。
付き合うことになった2人ですが、けっこう課長が色々と部下くんを試すようなことをするんですよね。
試して逃げないとわかって安心感を得る・・・そしてそのときの嫌がるような歪んだ彼の顔にとても興奮する。
ちょっと歪んでいますが、愛を欲するが故の行動なのだろうと思います。
どこまで自分を受け入れてくれるだろう?押しつけるだけではダメだと思っていてもやめられないんです。
それが自分を安心させられる唯一の方法だから。
でも・・・結局部下くんも自分から離れていくのか・・・と思った時の課長の落胆がとても切なかったです。
いつもの場所でしっかりと待っているとか、、、課長にとっても彼は失いたくない人だったのだろうと思わずにはいられませんでした。
でも、いつもの場所に現れたのは・・・お金を無心してくる自分を捨てた母親。
自分が会いに行ったときには突き放しておいて、いざ自分が困ったら会いに来てお金の無心をする。
本当に勝手な親だけれど、課長はそれに応じていたの。
なぜかというと、「必要とされてる」そう思えたから。
この箇所を読むと、どこまで自分を受け入れてくれるのかと人を試すようなことをしてしまう課長の心理がわかるような気がしました。
行動の意味づけというか・・・きちんと掘り下げもしてあって彼の行動だったり心情も理解できるとうストーリー構成は作品としてすごく素晴らしいなと思います。
そして。。。そんな課長がしっかりと部下くんに「捨てないでくれ」と言えたのもヨカッタです。ここは部下くんから動いたらダメなんですよね。
自分から必要としてほしい、受け入れて欲しいと思うだけじゃなく、縋りついても一緒にいたいという気持ちを伝えることができたというのが重要だったのだと思います。
それを優しく包み込んだ部下くんの柔らかさに本当にきゅんとなりました。
課長の暗い部分も「嬉しい」と受け入れてる部下くんにきっとこれからたくさん愛を与えてもらえるのだろうなと。
この2人でなければきっとうまくいかなかったのだろうと思えるような作品でした(*^_^*)
面白かった!
街角のプロローグ 感想
こちらガラリとテイストが変わります。
イタリア人のロベルト視点でストーリーが進んでいきます。日本人の留学生とルームシェアをすることになり徐々に自分のペースが乱されていくロベルト。
でも、日本人のユースケと一緒に過ごし、彼のことを少しずつ理解していくにつれ彼と一緒にいる時間や彼との関わりが居心地よくなっていきます。
ここはね、ストーリー的に異国人という設定がとても生かされているんですよね。
イタリア人だけれどイタリア人の性質があまり好きでないロベルト。
日本人だから・・・と言われ自分のことはすべて「日本人」という枠でくくられて嫌気がさしてたユースケ。
ロベルトはそんなユースケに「お前が日本人でよかった」と言います。
海外にきて日本人(アジア人)ということで嫌な思いをしてきたユースケですが、彼のこの言葉をすごく嬉しく思います。
どうしてそう言ったかもきちんと関連づけされているというか・・・設定がしっかりしているので理解しやすいのもイイですね。
回りくどさとか全くなくて、ロベルトがユースケの性格を好むのもそうだよね、と理解できます。
徐々に気持ちを通わせていく2人。
気持ちが近づいていくのに、このくっつくの?どなの?帰国の期限せまってるのに!!!というもどかしさ!
こ・・これは帰国前にくっついて一緒にいるパターンかと思いきや・・・
帰国しちゃうんか~い!!!でした。
当たり前ですけどね。留学できてるから帰らないと大変なことになっちゃうわ(笑)
空港へ送り、最後の最後でチューをする2人。でもそれを海外の挨拶だと言ってしまうロベルト・・・。
1人になった部屋にいつものロベルトの空間が戻ってきたのですが、ユースケがいなくなったことで以前と同じように落ち着くことができなくなってしまっていることを思い知ります。
ロベルトは彼に一通のメールを。
「挨拶で口にキスなんかしない』
このね~・・・メールで伝えちゃうあたりがロベルトらしいというか。あの時きちんと言えばヨカッタのに(〃・ω・〃)
このメールを送ってからのロベルトの後悔と・・・返信を待っていたはずなのに返信が来ても開けられない怖さとかよくわかる。
こういう心情がとてもよくわかるのがまた面白い。
ラストはうじうじしてるロベルトとは逆で、ユースケの行動力が光ってました。
これもユースケの性格が作中にしっかりと描かれているからユースケならそうくるよね!と理解できます。
最後の笑顔も素敵ですが、作品のさいごの締めくくりがすごく好きだなぁと思いました。素敵な作品でした!
感想/まとめ
最後に陰と日向のボーダーラインの描き下ろしがあります。
これね~すごくイイ!!!やっぱり課長には部下くんが必要だよね。それに、部下くんの課長への想いがすごく伝わってきました。
面白かった。。。
本当に2作品とも面白かった!大島かもめさんの作品はたぶん出ているモノ全部書いてたとおもうんだけれど本当に作品を出すごとに好きになってる気がします。
シリアスなものからキュンなものまで。。。すごく楽しめた1冊でした(⌒∇⌒)
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