ボクサーとトレーナーとのBL。ウノハナの犬と欠け月のネタバレありの感想レビューです。
いやぁ・・・久々に読み応えがあったなぁこのコミック。やっぱりウノハナさん大好きです.
【犬と欠け月】はプロボクサーを目指してた主人公・一弥が夢半ばで引退しトレーナーとなります。そしてその教え子として犬のように忠実に慕う岳と恋愛関係になるというお話。
とってもよかった!!!絵も色っぽく、ストーリー構成も抜群にいい。
ウノハナさん知らない人は是非読んでもらいたい。
【犬と欠け月】作品紹介
内容紹介
注意ポイント
【ネタバレ注意】犬と欠け月 感想レビュー
ボクシング馬鹿の岳(ガク)は、トレーナーである昌子一弥(しょうじかずや)に憧れジムに入所してきました。
一弥はかつてボクシングでタイトルマッチの試合をするほどの実力者でありましたが、そのタイトルマッチを目前に控えた時に目の損傷で引退を余儀なくしたのでした。
そんな一弥のある意味光である岳。岳も同じで一弥が光だったんだと思います。
ストーリーを読み進めるとお互いがお互いを「必要」とし欲しているのがわかり胸が熱くなりました。
特に岳の一途さ。純粋すぎてツライ。。。可愛くてしかたがない。
剃毛から始まる・・・
さて物語の進展はどうかというと、岳の試合前の減量から物語が動き始めたと思います。
ボクサーって減量難しいんですよね。ほとんど筋肉しかなくて体脂肪少ないのでなかなか痩せないんだとか。
筋肉って脂肪より重たいっていうから筋肉をつけるとかえって重たくなったり・・・。
水分とっても太っちゃうと何かで読んだことがあります。
岳も同様、試合前の減量に苦戦していたようで・・・そこで一弥は岳のいたるところ・・・大事なところまでも剃毛をします。
そんな時にきっと恥ずかしそうにしている岳に対して興奮したんでしょうね一弥。
スキとかそういうのでは今の時点では気づいていないというか・・・もしかしたらそういう気持ちはなかったのかもしれません。
ただかわいい岳にいたずらをしたいような・・・そんな気持ちだったのかも。
岳の大事なところを触り、だして減量をしようとします(笑)
ただ、一弥も岳のかわいさにヤバイなと思っている描写があります。
可愛くて もっといじめてやりたくなっちゃうんだよ
この甲斐もあってか(笑)計量は見事パスし、岳は試合にも勝ちます。
ボクシングのファイトマネーとか私もよくわからないのですが、ボクシングだけで食べて行ける人ってひと握り。
そのためにいくら強くてもバイトを掛け持ちというのは当たり前のようです。
そういえば・・・某ボクシング王者の人も極貧時代があったなんてよく言ってますよね。
それでも夢を追いかけてみんな必死にボクシングを続けている・・・。
そんな中、タイトルマッチを目前に控えているのにダメになった一弥の左目。
左目がダメになったとき 夢も現実も あっけなく消えちまったけど
と一弥が思っている描写があります。絶望を味わったんでしょうね・・・。
そして自分の夢を一緒に追いかけてくれるのが岳だった。
さてさて若きエースの岳ですが・・・やはり妬まれることはありますよね。イヤミを言われているのですが、自分のことを言われるのは平気な岳。しかし一弥のことを馬鹿にされ激怒します。
先輩?を殴ろうとしますがそこに一弥が割って入りました。
岳は一弥を殴ってしまいます・・・。
その償いのためか岳は一弥のお店のお手伝い。
疲れてお店で寝ている岳を見ながら
あんなキレた顔試合の時でも拝めない 無表情で感情の起伏が少ない
コイツの起爆スイッチは 俺・・・?
なんて思いながら岳の顔を撫でます。
もうこのときから一弥の中では岳への感情がすくすく育っていってるような気が(≧∇≦*)
感情の起伏が少ない岳が一弥の前では頬を赤らめたりとにかく可愛いんです・・・。
これが題名にもなっている犬ということなんでしょうか。。。飼い主にはとことん従順な・・・。
岳のかわいさがスゴイ
一弥は岳に最後までしてみようと言います。
言葉だけで反応している岳。一弥は可愛くて仕方ないようです。
岳ったら一弥のメガネにかけちゃうのですが・・・スイマセン・ごめんなさいと必死にあやまる岳がこれまた可愛くて・・・。
一弥も我慢できなくなったようではやく岳の中に入りたいと思います。
汚したい もっと深く入りたい もっとコイツの中を俺で満たしたい
わかる。。。岳ってピュアだもの。
でもね、良い雰囲気ではあったのですがボクサーとトレーナーなんです。
一弥は昨夜みたいなのはこれっきりだと岳に伝えます。
だけど岳は「俺っ 前からずっと・・・っ」といってもううるうるの目で一弥を見ています。
あぁ~ほんと岳かわいい(T^T)なんていうか純粋なの本当に。
だけど一弥は午後ジムであったら元通りだといいます。一弥には逆らえない岳。。。切ない。
避けられるわけない
これっきりにしようと言った一弥ですが、まっすぐな岳に心は揺れます。
昔から彼からの好意には気づいていたみたい。今まではうまくかわしていたけれど、それも出来なくなってきました。
待ち伏せしていた岳をみて・・・
やめた もういいや 避けられるわけねぇよ なぁ・・・岳
そう思いながら一弥は岳を抱きます。
抱きながら、岳に感じる気持ちは・・・長い間忘れていた自分が求めていた あの熱さと一緒だ・・・と感じるの。
リング上で自分が感じていた熱さ。それはきっと何かに夢中で、目的のために無我夢中になる時の感情。
そして勝ったときに得られる幸福感みたいなものと一緒だみたいな感じなのかなぁと自分なりに考察してみました。
この気持ちは一弥自身が岳にのめり込んでしまったということを表しているんでしょうね。
次からはちょこっと過去も挟みながらの展開になっていきます。
岳の一弥との出会い
岳にとって一弥がどんな存在か・・・それが描かれています。
どれだけ一弥という存在が岳にとっての光だったのか。
【僕の・・・一番は今でも一弥さんだから】
これが伝わってくるの。
自分がいくら強くなったって、一番は一弥なんですよね岳の中では(*^_^*)
一弥から来たいときに来たら良いと言われキーを渡される岳ですが・・・一弥の家で過ごすうちにかわいいものがけっこうあることに気づきます。
それは・・元カノが置いていった置き土産。
これにムスっと不機嫌になるのですが、このときの眉毛がほんとかわいいの!!!
岳の中でも独占欲が出てきたようです。元カノの存在に嫉妬しながら・・・
ずっと そばにいられるだけで良かったのに今は・・・毎日が夢みたいで
目が覚めると泣きたくなる一弥さんが抱いてくれる度
幸せで死にそうで・・・それだけでいい これ以上 何を望む?
幼い頃、母親の彼氏にずっと虐待されてきたという岳・・・そんな彼を母親は守ってくれなかった。幼かった岳にとっては母親の存在は大きかったのですが、成長するに従い彼女は自分を守ってはくれないと思うようになります。
そしてジムを覗いていた岳を中に入れてくれた会長・・・
そこで一弥に出会うんですよね。一弥が試合をしているところだったの。
一弥を見て「強くなりたい」と泣く岳にじわり。一弥の試合岳の中の何かを変えたことは間違いないようです。
そのまま保護施設に自分から行き保護され・・・その後ジムに入所したという経緯がありました。
その頃から一弥一筋の岳に萌えますよね。。。なんて一途なの!と。
一弥の不調
一弥の目がまた悪化してしまいます。
診察を受た一弥は再発の可能性が高いとのことでした。
一弥の左目の網膜は壊死が進んでしまっているようです。だから完全治癒が難しいらしく・・・
お医者様からは再手術をはやく受けるように勧められますが、岳の試合が近いので2週間でいいから待ってくれとお願いします。
一弥の目の事は、会長には話したようで・・・
会長にも岳の試合が終るまではこのままでとお願いしているみたいなの。
岳のクセをよく知っているのは自分だから自分がやりたいと・・・。
会長はそんな一弥に「トレーナーに誘っちまったのが悪かったのかな」と言うのですが、一弥はボクシングでしか生きられない俺がその術を失ってあのままだと左目と一緒にダメになってたと言います。
岳を・・・俺にくれて・・・本当に感謝してるよ
一弥にとっても岳は本当に大切な・・・自分の分身なんじゃないのかなって読みながら思いました。
でも自分の目が役に立たなくなってしまったら・・・
最初は悪戯で手をだした一弥ではあったのですが・・・今では岳への気持ちが育ってしまっていて自宅で寝ている岳をぎゅっと抱きしめるシーンがなんとも言えず。
切なかったです。
禁欲生活
試合まで2週間はチュウもなし、エッチもなし、自分でするのもなしという禁欲生活をすると言い出す一弥。
一弥さんといられる時間減っちゃうんすか?と聞く岳ちんにうっとなってる!!かわいくて仕方ないんでしょうね~なんか自分でいって自分が抑えられないかんじでしょうか(*^_^*)
今日からはお店も休んでつきっきりだよ、と岳の頭をわしわしとします。この時の照れた岳ちん、、、きゅぅん(〃・ω・〃)
でも・・・
岳も一弥の目に何かあるというのを知ってしまうのですね。ジムの仲間から病院で一弥を見たと言われて気になります。
そして会長と一弥の話を聞いてしまうの。
一弥に手術をすれば元に戻るのかと尋ねる岳ですが、一弥は今の自分の目の状態を話しはじめます。
丸いものが欠けて見えると。あの月でさえ欠けて見えるのだと・・・
これが【犬と欠け月】のタイトルの由来でしょうね。岳と一弥の事を犬と欠け月と表現しているのかと。
一弥の状況を聞いても、一緒に世界一になるのですよね?と聞く岳ですが・・・一弥の態度からこの日本のタイトルマッチでやめるのではないかと悟ってしまいます。
別れの言葉
一弥からとうとう、この関係を終りにしようと言われてしまいます。
これは前の時とは違って、自分の存在が岳にとってよくないと思ったからの別れだと思います。
岳はそれでも一弥に縋るのですが、一弥は岳の幸せには自分は足枷になると思っているようで・・・
お前は幸せにならなきゃダメなんだよ岳
俺は・・・そんなのくれてやれねぇ
ここからはもう岳に感情移入。
岳は一弥とだったからこその世界一。
岳にとっては世界一は一弥がいないと無意味なんです。ボクシングより何より一弥が一番だから。
「一弥さんがいないボクシングなんかおれはいらない」
泣く、、、ここは本当に涙ボロボロでした。幼少期の岳の事を読んだから余計に。
こういう所が本当にウノハナさんがお上手だなと思う所ですね。
一弥はというと・・・そんな岳に怒るの。「逃げてんじゃねぇ」と。
一弥が目指せなかった世界一・・・
「逃げてんのはどっちだよ」
今までワンコのように一弥に従順で懐いてきた岳ちんが初めて見せる怒り顔・・・。この顔はズキュンでした。
そのまま喧嘩別れみたいになった二人。
もう困らせたりしない
岳の涙でギュギュ~!!!てきたのですが、後半がギュギュの連続でしんどかった(T^T)
面白すぎる。
岳が一弥の家の鍵を帰すシーンの岳の表情が切なすぎてたまらなく好き。
「もう一弥さんを困らせたりしないから だからボクシングを教えてください」
って。そして一晩考えたけれど、順番は変えられなかったって(T^T)
一弥がどうしても一番だったのね・・・ここはもうウルウルしながら読むからほんと画面が歪んだ。。。
一弥がいなくても歩いて行けるようにって言っているので、岳は離れることを決心したのだなぁと思います。
岳と一弥の会話は。。涙腺緩みっぱなしになるのでご注意を。
岳のまぶたのエピからはじまって・・・岳にとっての一弥がどんなだったか知るたびに泣けてきてしまって。
試合に勝ちたいって思うのも「一弥さんに笑ってて欲しいから」って・・・どこまでも一番なの。
たまらない。
俺の人生全部お前にやるよ
岳に気持ちを動かされた一弥。
一弥が一番きらいな言葉「逃げるのか?」を岳が言ったということで・・・辞めるのを辞めたと言います。
「俺の人生全部お前にやるよ」
試合前の岳にそう言います。
岳にとっては動揺するとかそんな話ではなくて、すごい力になった一弥からの言葉ですね。
だって、一番の人から一番嬉しい言葉を貰えたんですから。
喜びを力に変えて、ボクシングも無事勝つことができて・・・後半は最高の展開が待っているので安心して読んでみてください!!!
感想まとめ
すごく面白かった・・・何度読んでもじわっとくる。
みどころは何より岳の一途さ!!!これはキュンどころではなかった・・・
最初は電子で読んだ作品ではあったのですが、気に入って紙でも購入した超お気に入り作品です。
興味を持った方は是非読んでみて下さい。
実はその後、続編がしまして。
2巻が現在出ていますが、3巻完結になる予定です。
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