難聴の男の子と同級生の男の子の甘酸っぱいBL!ひだまりが聴こえるのネタバレ感想です
本当にこれは面白い!デビュー作ですがもうね素晴らしい!名作になるお話だと思います。
新人さんなのでカテゴリわけしようかと思ったのですが、これは私のお気に入りなのできちんとカテゴリわけしたいと思います。期待大の方です。
とにかくこの漫画の魅力はストーリー。引き込まれます。203ページなのにあっという間・・・。
この1冊には全くといっていいほどエロはありません。キスはありますが心と心が近づいていく過程がとにかく面白い!
ぜひストーリー重視!という人は読んで見て欲しい一冊です。
ひだまりが聴こえる コミックス情報
作者名 | 文乃ゆき |
出版社/レーベル | プランタン出版/Cannaコミックス |
発売日 | 2014/10/27 |
ジャンル・テイスト | ピュア・ストーリー重視 |
満足度 |
あらすじ・内容紹介
―――あいつ、耳聴こえねーの? 難聴せいで何かと誤解を受け 周囲とうまく馴染めない大学生の航平は、 いつしか人と距離を置くようになっていた。 そんな時に出会った同級生の太一。 バカみたいに明るい性格で 思ったことを何でも口にする彼から 「聴こえないのはお前のせいじゃないだろ!」 と言われ、航平はその言葉に心底救われて……。 友達以上、恋人未満。 太一との出会いが航平を変えていく。
注意ポイント
【ネタバレ注意】ひだまりが聴こえる 感想レビュー
今回の主役は2人です。難聴の航平と、同級生の太一。
太一はちょっと喧嘩っぱやく思ったことがすぐに行動に出るタイプ。バイト先で度々喧嘩をしてしまうため、バイトもクビになり新しいバイトを探していた。
お金もなく途方にくれてた時に出会ったのが航平という学生。
お腹が減っていた太一は航平のお弁当に目が行き・・・物欲しそうに見ていたら航平はお弁当を置いて去っていってしまう。
ノートテイクから始まるふたり
そんな航平のことを大学の友人から聞く太一。
法学部で同級生。
女の子にモテて有名人。なぜ有名人かというとモテるというのもあるけれど難聴でノートテイクしているというのもその理由の一つ。
ちょうどノートテイカーを募集していたので太一は航太のノートテイカーに名乗り出ることに。
お弁当をもらった借りということらしい。
航平の難聴は生まれながらにというわけではなく、高3の時に急に突発性難聴になったようだ。
特に手話を必要としてなくて口の動きを読むことで会話している。
手話などをほとんど使う事なく会話が可能である。
借りを返すつもりで少しの間ノートテイクする予定の太一だったが、ノートとお弁当交換という条件に釣られ続けることに。
太一は読んでいる限り、真面目にノートテイクしているかと聞かれたらかなり微妙ではあるのですが、それでも航平は太一に頼んでいるの。
よほど太一の何かが気に入ったのかな。
途中で航平の印象的なセリフが登場するから注目!!!
同じ難聴でも聞こえの程度は人によって違うし
手話なんて知らない奴大勢いるのに 当たり前みたいに使われても迷惑
あんなのおれには必要ない
この言葉がわりとグサリ。たしかにそう。
難聴イコール手話というふうに結びつけがちだけど・・・知らない人もたくさんいるものね。
この発言は、手話サークルに誘ってくるキラキラ集団(女の子)に向けてのもの。
が航平と話すときに必ず手話を使ってくるの。
よかれと思ってしていることが、本人には不快である事も結構あるのだなぁと改めて感じた場面でもあったかな。
そして、そんな二人にある出来事が起こるの。
航平を良く思ってない子達が航平の事を悪く言っているのだけれど、それを聞いて太一が激おこ。
そして、自分が悪く言われていてもガマンしている航平に向かって言うの。
聴こえないからって何言ってもいいわけねーだろ
お前っていつもそうなの?なんでおまえの方が遠慮してんだよ
聴こえないのはお前のせいじゃないだろ!
この言葉を聞いて航平の目から涙が。
太一は当たり前のことを言っただけでなぜこの時に航平が泣いたのかは理解できないようだったのよね。
でもこの何気ない一言が航平にとってはとても大きかったのだろうなぁと感じた場面。
いつも一人で自分が聞こえないことが問題をいろいろと起こすと思っていた航平。
自分のせいで、自分のでいでと思ってたんだと思う。
それを耳が聴こえないのはおまえのせいじゃない!と言われたことで少し救われたんじゃないかなと。
ここから多分航平の太一に対する気持ちの変化が起こってきたように思う。
そして、この巻では難聴になった経緯と、どうしてひとりでいるようになったかが書かれてるから要チェック。
難聴になったのは中3の冬。
推薦で高校が決まったとたんに高熱で1週間寝込こんでしまったらしい。
目が覚めると・・・耳が聴こえなくなってたということで・・・そんなの受け入れられないだろうなぁって読みながら思ってしまった。
突発性難聴 よく芸能人でも聞く診断名。。原因不明らしい。
突発性難聴になったことで・・・
それまでは自分が可愛そうだなんて思ったことはなかった航平も難聴になったことでいろいろな壁にぶち当たることになるの。
友達の話が聞き取れなくなり、次第に友人たちも距離を置くように。
聞き返すと怒る人もいるし、耳が悪いからと関係のないことまで手伝おうとする人・・・補聴器に興味を示す人。
様々な人が世の中にはいるの。
それは仕方のない事だとは思うけれど・・・ふとした言葉が人を傷つけもするのだなぁと。
ある日、航平は日喋り方が変だといわれます。そう言われて話すことが少なくなり次第に無口になっていってしまうの(T^T)
その後の航平は・・・口話法講習などをうけて口話法を学びます。
大学ではノートテイカーを探していた航平ですが、違う意味でよって来る人もしばしば。
トラブルにも巻き込まれ、いつしか自分のことをわかってもらえるかもなんて期待も捨て、どう思われようが もうどうだっていいというふうに思うようになっていく。
そんな時に太一に出会ったのね(T^T)ノートをまとめるのは上手くないし、あまり役には立っていない太一だけれど、なんだかんだで航平の心にも変化をくれる存在なようだ。
航平はどうも太一のおいしい!という顔が好きみたい(^^)
そんな太一を見ながら・・・理解して欲しいという気持ちや寄り添って欲しいという気持ち、だけど太一はあっち側の住人だという気持ちが交錯していろいろと航平は今後葛藤していくことに。
太一にまた期待している自分に気づき、距離を置こうとするのだけれど、おかまいなく来る太一にやっぱり救われる航平なのでした。。。
そんな航平にも変化が。
今まで学校の外で一人隠れて食事をしていたのが、その場所以外でも太一とお昼を食べるように。
そんな時に友人のおじさんの「草野球」に参加します。もちろん航平もつれて。
そこでその草野球でであった美穂ちゃんと言う子(おじさんの娘)が太一の電話番号を聞いてきたらしく舞い上がる太一。
電話がかかってきて会います。告白されるかと思ってドキドキしている太一かわいいですがやはりお目当ては航平だったというオチ。
そこで航平のことを聞いた美穂ちゃんが、珍しそうに障害者に対して物語の主人公になりたいだのきゃっきゃ言っているのを聞いて太一は怒っちゃうの。
勝手にそんな小説と一緒にすんなよ!
あんたにとっては物語の話でも あいつにとっては現実なんだぞ!
と。太一の中にも航平が特別になりつつあるんだと思った箇所だったかな。
でもまたこの美穂ちゃんの存在が航平と太一の関係に溝を作っちゃうのよね。
大学では相変わらずノートテイクを頑張っている太一。見返りのお弁当は太一が喜んだハンバーグ。
喜んでいる太一をみて笑顔の航平。
航平も太一の前では笑うんですね。かわいい笑顔。
それに釣られてポツリポツリとどうしてハンバーグが好きなのか理由を話す太一。
ですが航平には聞こえてなかったみたいで聞き返されました。
照れた太一は大した内容じゃないから気にすんなっっていうんですが、航平はかつてのクラスメイトの対応とデジャヴしてしまうの・・・。
そんな時に航平の耳の聞こえがまた悪くなります。
夏休みで夏祭りに行く約束をするのですが、大学で野球を誘ってきた友人から美穂ちゃんのことを聞きます。
航平のことを気に入って仲良くなりたいと言っていたから太一にまるなげしたと。
このことを変に航平はとってしまう。
まぁ・・・あるあるかな(T^T)
太一→美穂ちゃんだと勘違いしちゃったのね・・・
太一は太一で美穂ちゃんの事を話せるはずもなく(T^T)
勘違いした航平は、ノートテイクをしてくれる人を他に募集してしまうの。
太一と航平ママ
航平に会うために家を訪ねる太一。
玄関先でお母さんに会います。
航平がいないので、家に上がらせてもらい・・・ケーキをごちそうになる太一ですが、ケーキを食べる姿をみておかあさんはピンと来るんですね。
あーさてはあなたがお弁当の子ね?
航平がよく言ってるのよ 美味しそうに食べる子がいるって
とうれしそうに話します。
そして航平はどこかと尋ねると、病院へ行っているといわれます。
ここで航平の聴力がまた落ちたことを知らされます。今回は結局航平には会えませんでした。
帰り際にお母さんから航平のことを見捨てないでやって欲しいといわれます。
太一のことはものすごく大事にしていると。太一の好物のハンバーグを珍しくリクエストしてきた経緯も話してくれます。
きっと航平は太一のおいしいという言葉が聴きたかったんだろうと。
しかもあの笑顔の時のハンバーグは航平が一生懸命作ったみたいですね!
帰りながら太一はいろいろ考えていて・・・航平が何も自分に言わなかったことも腹が立ってしまいます。
まだまだすれ違いは続いちゃうのね(T^T)
突然のキス
この作品は主がBLという感じが薄いといえば薄いけれど、後半にちゃんとBLっぽさが。
航平が太一にキスをするという場面があるの。
すれ違いが続いていた二人ですが・・・航平のことをわかりたいという太一の手を引き・・・(〃・ω・〃)
航平はもう途中から太一を好意の目で見ていたけれど・・・太一はそういうのは鈍感で気づいてもなかったのね。
でもそんな太一が好きだという。
本当は耳が聴こえなくなることよりも太一に嫌われるかもって思う方が怖かったと。
ごめんね でも言えてよかった 今までほんとにありがと
と涙笑顔の航平です・・・。えっ???なんでまた「自己完結」?
太一も航平のこと気になってると思うんだけど違うの???と読みながら思ってしまった。。。
航平と太一のこれから
場面は変わり髪の毛を切った航平が。
補聴器をつけていて、手話サークルにもはいろうとしていたの。
心境の変化があって最初から決め付けるのはやめようと決心したみたい。
太一との関係は。。。まだギクシャクした感じ!?告白もあったしキスもあったしでそりゃそうですよね。
あんなこと言われて会うのは平気なのか?と動揺する航平に対し、
ご飯も食べるのを忘れるくらい考えて考えて考えたと太一。太一のことばは
でもいくら考えても お前のこと 嫌いになる理由なんて 見つからなかったんだよ
と。
さよならを覚悟で告白した航平だったので太一のこの言葉はびっくりだったはず。
そして、航平のノートテイクはまだ応募できんのか?と「募集のチラシ」を航平に見せるの。
ここで一応Finです。。。ちょっとBLに関しては・・・なんというか心がまた近づいたところで終わってしまって不完全燃焼。
と思ったら描き下ろしが。
~今はまだ道の途中~
太一と航平のその後。相変わらずモテモテの航平。
友人が狙ってた子が航平に近づいているので、友人から二人がどういう関係か聞いてこいと言われたみたい。(太一)
太一はというと毎日食べることしか頭になくて・・・(笑)
山本さんという人のことを聞いてくる太一にびびる航平。友人が聞いてくれといってきたと聞いてホッとするの。カワイイ(≧∇≦*)
どりゃそうよね。太一の口から女の子の名前が出るとびっくりしちゃうよね・・・。
そんなもどかしい二人ですが一緒に映画を見に行くことに。美穂ちゃんが言っていた小説が映画化されたらしい(笑)
来てくれてありがとうという航平の言葉に、なぜおれはあいつのありがとうに弱いんだろうと考える太一。
航平を見ながらもっと自分にできることがあればいいのになぁと考えるようになるの。
きっとこれはフラグでしょうね~。何か航平のためにできることが太一の夢になりやりたいことになるんだというフラグな気がする!
そういう「二人三脚」で生きていく2人が想像できました~。←どうかわからないけど・・・。
太一は航平が笑っていると嬉しいと感じています。
太一と航平の会話から、航平は手話サークルに入って手話を結構覚えているみたい。
手話をちょっと教えてもらう太一。航平は太一の手をとって手話を教えます。
すると太一意識しちゃうの・・。意識しちゃってぎゅってなるんですが・・・また航平の勘違いが。
もうあんな事しないから 太一が嫌なことはしない
嫌じゃなかったらどうすんだよ・・・
ナイスなセリフなのに・・・これは航平に聞こえてなかったようなの(T^T)
まだまだ道は途中ですね~。お互い意識して近づいているのにむず痒い。
はやくくっついてお互いを支え合ってほしい。
感想まとめ
BLといえば大半がエロありでなかなかこんな作品珍しいのですが、じっくり展開していく二人なのでしょうね。
太一×航平!!!予想はどっちだろ~。航平の方が攻かなぁ???なんてちょっとだけ想像してみます(笑)
難聴を抱える男の子の心情というのがなんか深く一癖も二癖もあるのが魅力的。
ストレートに伝えているかと思えば卑屈になったり勘違いして自己完結する航平と、単純・鈍感な太一。
最後の方で太一も自分の気持ちに気づきつつあるのですけど続編が気になります。
BLっぽさは控えめだけれど、イチオシ作品。
なんとなく・・・いつかこれ映画化されそうな予感。映画化されたらいいな!
結構内容が深いから、BLじゃなくても楽しめると思うなぁと思ったらまさかの映画化!びっくり。嬉しい限りです。
気になる人は是非チェックしてみてくださいね♡